AIR
柳也と裏葉の子孫は往人だけではありません!
それは晴子です。
法術使いが一子相伝なんてどこにも書いてません。子孫が1人きり、と考える方が不自然というものです。それにたとえ法術が一子相伝であっても、話の都合でラオウやらトキ様のようにいろいろ出てくるものですし...
さて、晴子が引き継いだ思いは「すべてを忘れて幸せになってもいい」という柳也の願いです。その願いの通り、晴子はプラプラと自由気ままに生きています。観鈴が死の淵にあっても「温泉巡りにレッツラゴー!」ってなもんです。また、法術使いの裏葉の思いを強く受け継ぐ往人と違い、晴子は法術は使えません。そのかわり柳也の類まれなる剣術の腕を引き継いでいます。それは、バイクで何度激突してもかすり傷一つ負わない驚異の身のこなしや、「AIR」でカラスのくちばしをはっしと掴む居合の技術からも明らかです。
ところが、「DREAM」の最後で往人が法術を使ってもう一度時間をやりなおしてしまったことで、晴子の運命も変化します。「血の繋がっていない観鈴と本当の家族になりたい」という思いを生じてしまったのです。これは柳也と裏葉が神奈に対して願った思いと全く同じです。しかし、晴子もこの思いを果たすことはできませんでした。ですが観鈴と思い出を作り成仏させることで「呪詛により空に封じ込まれた神奈を救う」という柳也と裏葉の願いを果たすことはできたのです。その結果、長い年月に渡って蓄積された柳也と裏葉の呪縛から解き放たれた晴子は、過去に縛られない前向きな一歩を踏み出すことになったのです。
完璧な解釈です!いままで晴子の存在を軽く見ていた君!観鈴コースに出てくる主役級キャラで唯一生き残るのは晴子なんですぞ!!
さらに衝撃の事実。
神奈以外の翼人が現代にいます!
オープニングと「AIR」のラストで、このAIRという物語を母から子へと伝える翼人が描かれています。これはとりもなおさず神奈以降に翼人が存在していることを示しています。では、その翼人とは誰なのか?
それはポテトです。ピコピコ〜。
神社のある山から聖に蹴りだされてもオッケーな飛翔能力。そして、犬でありながら人の言葉を解釈し、人に思いを伝えることのできる人智を超越した存在。佳乃の行方をすべて知っていることも、(おそらく翼人の残した)羽根に影響された佳乃と何か交感するものがあるのでしょう。
まちがいなく、ポテトは現代に再び現れた翼人です。そして翼人であるポテトは観鈴(あるいは空の神奈)と交わることで、この星の記憶と呪いのすべてを引き継ぎ、神奈を開放することのできる「はず」の存在なのです。往人がポテトを観鈴に会わせれば観鈴を解放することができた「はず」なのです。しかし観鈴は、神奈の母親と同じように、自分の苦しみ(自分にかけられた呪い)を他の翼人(ポテト)に伝える事を拒否します。これを明確に示している場面が「DREAM」の佳乃コースにあります。佳乃コースに入ることで往人がポテトと深く結びついたときに、観鈴は朝の送り迎えを拒絶します。ポテトに遭遇する可能性を避けるために、観鈴は往人を拒絶したのです。かくしてここから、星の記憶と呪詛を持たない新たな翼人「ポテト」の系譜が始まるのです。
つまり、全編を通してみるとAIRとは、晴子とポテトに未来を与えるための輪廻転生の物語だったのです!
おまけ:神奈と接触しなかった新翼人ポテト(OP/EDに現れる翼人の系譜)はどうやって過去の翼人(神奈)の情報を得る(得た)のでしょうか?これは推測にすぎませんが、おそらく柳也の書き残した「翼人伝」です。裏葉の作った人形だけ残って、柳也の書いた翼人伝が残らないわけがありません。この書物から知識を得ることでポテトは過去の呪詛を一切受けていないのです。しかし、人が書き記した翼人伝は不完全な知識であり、そのためポテトは翼人の姿になれず現在は犬の姿をしているのかもしれません。
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