アラビアン・ナイトメア(ロバート・アーウィン)
いきなり驚いた。1章で主人公がカイロの町に入る描写があったのに、次の章で同じ主人公がまたカイロに近づいていくところに戻っている。しかも微妙に表現が変わってたりして。これはどちらかが夢?どこから夢がはじまり、どこで終わるのかわからない。しかも夢自体もどうやら何重の階層になっているようだ。こういう話は好きだね。ズレイカという娼婦が登場するのだが、彼女は明らかに第一階層あたりの夢にしか存在しないように見える。変なところだけでなく、騙り手の物話の中に出てくる登場人物が、また別の物語をはじめ、更のその物語の中で…のネストの繰り返し。途中観客は「そこはとばしてくれ」と言ったり。そのネストがおかしくてつい笑ってしまう。こういう話で笑わされたのは初めてだよ。
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