九十九十九(舞城王太郎)
舞城王太郎は前々からなんとなく気にはなっていたのだが、手をだしあぐねていた作家。
それが、今回、清涼院流水のキャラ「九十九十九」を使った作品を出したということで、
まずは「土か煙か食い物」から読んでみた。
最初はこの文体がとっつきにくいがすぐ慣れて一気に読んでしまう。面白い。面白いが、大ファンになれるタイプじゃないと思った。
続いて九十九十九。こいつは凄いな。この才能は。同じキャラを使った清涼院流水と比べてしまうが、(私は好きの度合なら流水の方が好きだから敢えて言ってしまうが)本家取りで明白に質の高いものができてしまっている。この話、第一話から第七話までで構成されているのだが、第二話まで勧むと、第一話は第二話の中では、送られてきた本の内容(フィクション)ということになっている。そんな連鎖が続くうちに、四話と五話、七話と六話の順番が逆転していたりする。それには理由があって…
知的興奮を満足させてくれる上、物語としても上々。ただ、これだけは言っておく。この話は単独でも十分楽しめるが、流水のJDCシリーズを読んでいれば更に楽しめる。
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