デューン 砂の惑星

フランク・ハーバートのSF小説を、何度も映画化を試みられ、成功はしてこなかったと言われる曰くつきの作品を、ドゥニ・ヴィルヌーヴが挑戦。私の評価では、「彼はやりとげた」と思う。そもそも長い作品なので、1作では終わらない前提で作ることが許されている昨今の事情が味方していることは否めないが、たぶんそれを差し置いても成功と言えると思う。一つの要因は、この大河小説に含まれるたくさんのガジェットをうまく整理(残すものは残して切るものはばっさり)していることが挙げられる。

今回、比較参考のためにリンチ版デューンを観てみた。リンチ版は忠実に原作の要素を拾っていこうとした結果、場面場面では原作を忠実に再現したりしているのだが、いかんせんそれでは説明しきれないので、取った策が「登場人物の思考をすべて本人に(内省として)語らせる」というもの。だが、これはある意味禁じ手で、映画の中でも、一人の人物にそれをやらせるならまだしも、リンチ版ではあらゆる人物にやらせてしまっているので…ヴィルヌーヴ版にもある同じシーンで比較してしまうと、ダサいことこの上なし。ヴィルヌーヴ版は整理がうまくできているので、語らせなくても先に進めるというのがある。

何を切っているかというと、原作には「メンタート(演算能力者)」という概念が出てくる。そこはちょっと絵(白目をむくのがたぶんそう)であたtりと表現。ちなみにリンチ版では中途半端に入れてはいるものの、結局説明はできていない。一方、とりいれたのはオーニソプター(羽搏き機械)。天空の城ラピュタにフラップターとして登場するあれ。宮崎監督はかなりデューンに影響を受けているようで、サンドオーム(砂虫)も王蟲の原型だよね。ちなみにリンチ版には登場しない。まあ当時の特撮技術の問題もあっただろうが。でもこのオーニソプターが脱出の時にもうまく演出に使われているんだなあ。

もう一つの成功要因は、絵だ。IMAXをうまく使い、壮大な景色の中の壮大なメカを表現している。これはぜひ映画館で観るべきだ。この監督は「メッセージ」や「ブレードランナー2049」でも壮大な絵を作らせるとうまい(撮影のロジャーディーキンスのおかげもあるが)。

あてゃシャラメ。主人公のシャラメ君はいいね。上半身裸などサービスも満点だが。他のキャラクターも存在感ある。特にダンカンのジェイソン・モモアがいい。

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