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シャン・チー テン・リングスの伝説

マーヴェル映画です。が、食指が動かなかったのは、巷間で言われているところのルッキズム。すなわち主人公に華がない。という理由だったことは認めざるを得ない。そして鑑賞後は、はげしく後悔している。全面的にわしが悪かった。そして期待度ゼロの分、普通に面白くてもその落差のおかげで大いに楽しめた。そこは感謝する?するのか?よく分からないが。

食指が動かなかったのは、マーヴェル側の、ブラックパンサーでアフリカ系を主人公にした次はアジア系だ!ついでに中国市場もこれでバッチリ!という意図が透けて見えちゃうというか、そういう狙い先行で来ちゃうとやっぱ引くじゃん?てか、中国では上映禁止になったらしいんで後者は外れたようだけど。でも結局、そんなこととは関係なく面白いのです。残念ながら。

まずは、華がないと言われた登場人物たち、実際に動いてみたらすごくキャラが活きてましたごめんなさい。今は無職で駐車場係やってるボンボンならあの俳優さんではまりだし、妹もいい。なんといっても友人のケイティ役のオークワフィナさん、この方の出演作ははじめてですが、いいですね!

また、キャラクターだけでなく、しっかりカンフーしているのもいい。私はそこまでカンフ映画好きではないけど、足場ファイトを観るとジャッキーを思い出し、足の回転は太極拳。ぐらいでも十分楽しめる。

あと、字幕版で観てたけど、ドラゴンのところで「あ、シェンロン言ってる」ってのが何箇所かあって、特に笑いどこではないのにうけてしまった。シェンロンといえば我々の世代では勿論、ドラゴンボールとなる訳で、と思っていたら最後にかめはめ波までとびだした。

ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結

前回のスーサイドスクワッドはそれなりに気に入ってた。が、今作を観て、あれはなんだったんだという思いが強く…非常に強く。最初からジェームズ・ガンにやらせとけばどんなによかったか。もったいない。あえて、前作のいいところを無理矢理拾う。そうあれがなければマーゴットロビーのハーレイクインは生まれなかった。だからよかったんだ。そう無理矢理自分に言いきかせていくしかない。そう思わせるほど、今作は最高。

今作のいいとこ。まず笑える。しかも血ドバドバのブラックなギャグ。に近い。ガンにデッドプールやらせても面白いかも。まあ第4の壁は越えないけどね。あとは場面ごとにアイテムでテロップを入れる執拗な遊びとか。で、さんざん笑わせて、最後感動させるからすごい。笑わせてるけど、実はテーマ自体は重いの扱ってんだよね。それに、キャラが全員立ってる。しっかりそれぞれに見せ場を作っている。この辺ではガーディアンズ・オブ・ギャラクシーでも見せてくれたガンの真骨頂か。

あとはネタバレつきで細かいとこ。デッドプールとの共通点。最初敵の島にチームアップで上陸したら、あっさり数分でやられちゃうとこ。「Xフォース」と同じ流れね。それに、クライマックスが怪獣映画なんだが(本編でも「カイジュー」って言ってる)これが意外にしっかり怪獣映画になってて感心した。

ブラック・ウィドウ

待ちこがれたタイトルだが、公開すぐに時間がとれず、土曜の最終回に109シネマズ川崎で、IMAX2Dで鑑賞。109の日だからか土曜の最終回だからか、入場もフードの列も大混雑で、席もほぼ満席。ちょっと本来なら避けたいシチュエーションだが、緊急事態宣言が発令ということもあり、この機会を逃がすと次いつ見られるか分からんということでしぶしぶ。がやっぱり見てよかった。結論からいうと、今年になってからはじめて2回観たいと思った作品です。久々のMCU作品ということで、期待値は元々高かったが、ストーリー、役者、演出、アクションすべてで期待を上回った。

では、ネタバレしつつ感想を。

実は、オープニングのMARVELのムービーでナターシャが映った瞬間もう泣きそうに。映画関係ないやんけ。待ってましたというのもあるが、やはりエンドゲームにおいてご本人がもうお亡くなりにというのを引きずってる。ナターシャというかスカジョ様好きなんす。そんな死んだキャラの映画をどう作るのかというのが注目だったが、舞台はいきなり1995年のオハイオから始まる。ヘ?オハイオ?ロシアじゃなくて?このナターシャ・ロマノフというキャラはソ連生まれで、冷戦で活躍したんじゃなかったか?オハイオにいた理由はすぐに分かることになる。なんとスパイとして潜入していたんだと。え、もう冷戦集結してるよね?しかも逃げこむ先がキューバってなんで?と、やや苦しい面もあるが、そこはキャラクターの年齢がおかしなことになるので目をつぶろう。そのオハイオでスパイが仮面家族を演じていた訳である。姉のナターシャはそれを認識しているので、それが明かされた後で、ああ、それでナターシャは妹と対照的にあんな冷めた態度なのかと、この辺は演出としてうまい。

時は経ち、21年後。舞台としては、シビルウォーの後くらいということらしい。つまりナターシャはスティーブ側に立ったため、追われる身になっていると。こいつら、追跡能力が半端ない。なんでここまで?ってとこまで追ってくる。この辺あまり説明ないんだけど。でブダペストで妹と再会。でいきなり格闘。この辺はネタバレしてたけど。ただこの格闘が結構キツいやつ。WWEのキャットファイトみたいんじゃなく、ゴジラvsコングレベルの本気度。いいね。でこの妹エレーナちゃん、を、あの演技派で売り出し中のフローレンス・ピューが演じている。私がたまたま観たのは、「マイストーリーわたしの若草物語」「ミッドサマー」だが、そのどちらともまったく違う演技。今回は特にロシア訛りがきつい。いやーフローレンス半端ないって。

この辺でちょっとギャグがとびだす。エレーナが、「スーパーヒーローってかっこつけてこんなポーズするのがキモい」とやってみせるのが、デッドプールでもネタにしていた「スーパーヒーロー着地(Superhero Langing)」。このオリジンは、(確かマクガイヤーゼミで言ってたんだと記憶)「攻殻機動隊 Ghost In The Shell」の草薙素子らしい。押井監督半端ないって。それはともかくこのネタは結構な笑いをとっていた。しかもこの後もこのネタはひっぱられ、そのたびに笑いをとっていた。すげえ。

更にこの後、収監されている「父」のアレクセイを救出。こいつ実はスーパーヒーローだったんだな。しかし今はめっきり太ってしまい昔のコスチュームが着られない。こういうのもネタにしちゃうのがなかなか。

あとは、クライマックスに向かっちく訳だが、「疑似家族」が本当の家族になる過程をアクションに混ぜて進めるあたり、この辺もなかなか。ディズニーだから人死なないと思いきや、最低限は死んでる。まあそりゃそうか。

で、エンドロールの後、みんな席立たないねー。ほかの映画だとほいほい立っちゃうと思うんだけど。最後に何かあるMCUしぐさをわかってるね。で、エンドはもうエンドゲーム後で、エレーナがナターシャの墓を訪れるシーンになる訳だが…そういえば、ブダペストでのホークアイとの絡みって、今回もっとやるかと思いきや、ナターシャの口から語られただけだったね。まあ今回ホークアイは写真のみ出演ということでやむをえないのかな。で今後エレーナとホークアイの絡みあるんかな?と期待させる今後。

あー面白かった。もう一回は見たいな。

ジャスティスリーグ ザック・スナイダー・カット

この映画の欠点を先に言っておこう。

長い

以上である。あとはない。「ザックスナイダー」という形容詞がつくと、色々言いたくなる人がいるのはわかる。せっかくジョスウェドンが入ってうまくまとめたのに、なんでわざわざ梃入れ前のザックの版を4時間もかけて見なきゃならんのか。正直に言おう。私も観る前まではそう思っていた。ザックの「エンジェルウォーズ」はわりと好きだが、DCユニバースの作品は決して好きな方ではない。MCUの方がやはり好みである。そんな私だが、今回意外といい評判ばかりなので、うっかり鑑賞してみた。結果、「あれ?こっちのバージョンで別によかったんじゃね?ていうか、ジョスウェドン版とは何だったのか」という結論に。うっそー!?とお思いでしょう。これから説明するから。

本カットのいいポイントは、チームアップする各ヒーローのほりさげがしっかりできていること。これだけ長いんだから当たり前とおっしゃるかもしれないが、それで飽きさせないからいいんです。びっくりなのは、ワンダーウーマンにしても冒頭から見たことないバトルの(いい)見せ所がちゃんと来て、「あれ、こんなのも撮ってたの?」の連続。特にウェドン版では影が薄くなりがちだった、フラッシュ、サイボーグの新キャラもしっかり描いている。これは高得点。というか、映画全体を通して、ジョスウェドン版とのシーンの重複がほぼないように感じられる(もちろんちょっとはあるのだが)

あと、ザックの映画では画面もムードも暗くなりがちだが、今回に限っては、それがプラスに。ウェドン版はどうしてもMCUに寄せてる感が否めないのに対し、こちらは思いムードが伝説、神話寄りのDCっぽさを出していて、良かったと思う。

さて、ここまで成功したとなると、こっちの方の続きをぜひ見たいと思う訳ですが、どうなんでしょうね?

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒

前作「スーサイド・スクワッド」で一人勝ちの人気となったハーレイ・クインのその後の話。なんか最近こういう映画多いよね。男に食い物にされた女の子が結束して男どもをぶちのめす映画。「ハスラーズ」もそうだし、「キャプテン・マーベル」もそうだったなあ。見てないけど、チャリエンもそうじゃないかな。このブームを後世の人は、「ブラックスプロイテーション映画ならぬ、ガールズプロイテーション映画」とでも(揶揄気味に)言うのかね。でも、そんなこといいじゃないかね。痛快なら。この映画の魅力を言葉にするのは難しいが、一言で言うならそんな感じだよ。あとすごく、色々語りたくなる映画。でも言葉にしずらい。なんだそりゃ。

この映画ではハーレイはジョーカーと別れて(なりゆき的に)様々な立場の女性とチームアップする。刑事、歌手、スリ、殺し屋…原題は「Birds of prey(猛禽)」っていうんだけど、DCコミックスで元々そういうシリーズがあんのね。で、歌手(ブラックキャナリー)や殺し屋(ハントレス)はそのメンバーな訳。ハーレイは違うみたいなんだけどね。だからこのチームは映画オリジナルなのかな。

で、ハーレイをメインにした新たなる物語を紡ぐとなると、ハーレイのオリジンみないなのも入れなきゃならなくなる。ジョーカーみたいにね。でも、その辺(出生から精神科医時代からジョーカーとの出会いから別れまで)は、ハーレイの独白ナレーションとアニメであっさり済ませた。この辺は長々なんなくて正解。その後も、観る前に心配してたようなところはだいたい、杞憂だった。序盤のポンポンポンとアクション飛ばして、「あれ、つながんない?」と観客が思った瞬間に逆再生が始まるとか、ラストシーンで突然画面が暗くなった時に、「う、これってザックの呪い?(死んでない)」と一瞬不安になったものの、これも杞憂。

ハーレイのキャラ付けは、「いい子になりすぎず、でも時々お茶目な魅力」というラインを守っている。これもいい。前半の警察署突入シーンは、ガンガン撃ちまくってるのが、なんていうの?突入の時に煙が出るやつで、「警察殺してませんよ」だし、(別のとこでは悪いやつはやっちゃったりするけど)。あと、結局カネのために仲間裏切っちゃうとか。絶妙のバランス。

あとは細かいところもいろいろ。マーゴット・ロビーがプロデューサーについてるせいかな?ハーレイがいつのまにかローラースケート乗り回してる(「アイ、トーニャのおかげ?」のとか、あとはバットだね。バットが出てきた時は「うおーっ」ってなったね。

ハーレイ自身の魅力では、前作と甲乙つけがたいところはある(初登場のインパクト大きかったし)。が、仲間もいいよ。ハントレス、ブラックキャナリーにモントーヤ、キャス。このチームでもう一作見たい。でもないかな?どうかな?