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ハウスジャックビルト

原題:House That Jack Built.「ジャックの建てた家」じゃだめ?

私のわりと好きな監督、ラース・フォン・トリアーの新作なので見に行った。ネタバレしなくても、最近は「エモバレ」しちゃいかんそうだが、これは、コメディだよね?まあこの監督は常習犯ですけども。連続殺人鬼の映画でそれやるかね。特に、第2幕の殺人の後に脅迫神経症が出て、何度も血を吹きに行くくだり。もうパトカーのサイレンがずっと鳴ってるのに。てか、パトカー来るの遅すぎだろ。これは、クライマックスのとこも同じね(そろそろネタバレありで)。で結論を言うと、面白かった。わからんとこもあるけど

最近は、「風立ちぬ」やら、ダンテの新曲の「煉獄」をモチーフにした映画が多いが、本作もこれだよね。ヴァージというのは、メフィストというか、アルターエゴなのか。冒頭に、二人が暗闇の中、というかオフで殺人をふりかえりつつ会話してるシーンがあるのだが、後でそれがもう一度繰り返される。そんなに難解ということはないが、私が疑問に思う点はいくつかある。

  • やたらDavid Bowieの「FAME」がかかるけどその意味は?
  • 第1幕の女性は、やたら「あんたがシリアルキラーだったら」とカマをかけてくる。殺されたいと思ってんの?というくらい。車に乗せてくれと言ったのも彼女だし(しかも3度も!)、凶器を二人のあいだ にこれ見よがしに置いたのも彼女。誘ってるとしか思えないんだが。最初、ジャックは殺す気どころか、車に乗せるのもいさぎよしとしてない。なんでだ?ここからジャックの運命が変わったというのか。それも彼の妄想なのか。しかし、元々ジャックは用事があるからと断わろうとしてたんだが、用事は本当にあったのか?
  • これに限らず、みんな殺されたがってるように見えるよね。警察はみんな二人組じゃなく一人で来るし。あまりにもバカということを後で映画の中でつっこませているけど。
  • ジャックの容貌は、メガネをかけてきちんとしてる時と、無精髭でラフな格好の時とある。使い分け?

こんなところかな。それにしても、この映画で一番ショックだったのは、ユマ=サーマンが出てたことにまったく気付かなかったこと。エンドロール見て「あれ、出てた?」となった。最初に殺される女性らしい。でも、全然面影なかったぞ?と思い、検索してみると、「整形?」とか言われているらしい。マジか。加齢のせいだけとは思えないが…キルビルとか、タラちゃんのミューズだった頃わりと好きだったんだがなあ。