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2019年ベスト映画

昨年同様、2019年に観た映画をまとめてみよう。

観た本数はそれなりにあるが、いわゆるアート系は少ないなあ。やはりアメコミ中心にB級もりだくさん。

まずは各賞から。

次は面白かった順。このブログで未紹介のもある。

  1. ジョーカー
    やっぱり今年最大の衝撃だった。
  2. ロケットマン
    ジョーカーが食るまではNo.1だった。
  3. スパイダーマン スパイダーバース
    ロケットマンが食るまではNo.1。
  4. アベンジャーズ/エンドゲーム
    キャプテン・マーベルと迷ったが、祝完結ということで。
  5. キャプテン・マーベル
  6. サスペリア
    何か魅かれるものがある。踊りかな
  7. 仮面ライダージオウ Over the Quarzer
    メタなところが私このみ。
  8. ジョンウィック パラベラム
    一張羅アクション。
  9. 工作 黒金星(ブラックヴィーナス)
    主人公二人の表情が泣かせる。緊迫感も
  10. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
    やっぱりタラちゃん
  11. X-MEN ダークフェニックス
    評価低いが私は好きだよ
  12. スパイダーマン ファー・フロム・ホーム
    よくがんばりました
  13. ゴジラ キング・オブ・ モンスターズ
    これも評価低いが腐っても巨神兵じゃないゴジラ
  14. アス
    ちょっとトンデモな感じだが、ルピタ
  15. バンブルビー
    オーソドックスに面白い
  16. アリータ バトル・エンジェル
    私を今さら木城ゆきとに目覚めさせた
  17. アクアマン
    たたかうニコール
  18. VICE
    アイロニー。あとブッシュがいい
  19. i —新聞記者ドキュメント
    インパクトがあまりないが、よい
  20. ファースト・マン
    ダークな宇宙もの
  21. RBG 最強の85才
    RBG。
  22. ハウスジャックビルト
    ナチ礼賛自虐煉獄風立ちぬ映画
  23. 愛がなんだ
    んーなんだ。岸井ゆきの
  24. ダウンサイズ
    予想してたよりはいい
  25. 魔法少女リリカルなのは DETONATION
    予想してたよりはいい2
  26. ファインディング・ドリー
    予想通り
  27. スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け
    んー。んー。そうかあ。

X-MEN ダークフェニックス

映画のX-MENシリーズはすごく好きかと問われると微妙…けど全部観た。そんな私が観たダークフェニックスは…今までで一番よかったぞ。ソフィ・ターナーa.k.a.サンサ・スターク@ゲーム・オブ・スローンズよかった。最初はなんか、ほんとサンサっぽい登場だったのが、徐々に成長を見せ、最後は正真正銘のフェニックスに。ちょっと感動した。私がよかったと思ったのはブライアンシンガーがいないせいか、ウルヴァリンがいないせいか…あ、ジェシカチャスティンもよかったよね。

この辺からネタバレか?この映画、「家族」がテーマの一つだと思うんだけど、それで思い出すのは「デッドプール2」。同じテーマ。しかも、こんなセリフも出てくる。「X-MEN」という名前について、「X-WOMENにすべきかも」これ、デッドプール2でもやってたぞ。アンサーソング?それと、ジーンが最後、感情に流されるのがダメと敵に言われ、「それがどうした!」と反撃。あれ、これも最近観たぞ?「キャプテン・マーベル」でヴァースがヨンログ相手に同じことやってたよね。ジーンのチートぶりもキャプテンマーベルそっくり。で最後は、人間を超越してしまった?まどマギ?2001年?というかこれで終わり、一つの区切りなんですね。ジェニファーローレンスもいなくなっちゃったし。20世紀フォックスはディズニーに買収されて、リブートかあ。

RBG 最強の85才

RBG=ルース・ベイダー・ギンズバーグ。アメリカ最高裁判所判事にまつわるドキュメンタリー。確かにこの人のしてきたことはすごいし、尊敬も惜しまない。が、この人一人に女性やリベラルの命運がかかってるって状況、なんなんだろうね。民主化とか、LGBTや男女同権やら、達成できてるように見えて実はまだ全然、どころかたった一人の人間で左右されるようなあやうい状況にあるとは。そうはいっても、日本よりはアメリカの方がだいぶマシな訳ですが。まあ、色々な権利はたたかって勝ちとることが必要ですよ、ということを胸に刻んでおけと。

ゴジラ キング・オブ・ モンスターズ

一言で言うと、予告編の期待を裏切らない映画であった。そこをはるかに超えてきたかという微妙だが、怪獣映画としては大満足。ドラマがとかこれ以上何を求めるのという感じ。そりゃあ細かいとこで色々ありますがね。まずは怪獣の迫力、美しさを堪能してください。私なんか怪獣の登場のたびにうるうるしてしまった。(逆に、○○のシーンでは別に…な感じ)

それとうれしいのは、怪獣世代へのオマージュというか気遣い満点なところ。伊福部昭の音楽もそうだし、これでもかという小ネタの数々。渡辺謙さんに「ゴッズィーラ」ではなく「ゴジラ」と発音させてるとことか。なので、私のような世代の人にとっては間違いない映画。

では、ここからネタバレありで。特によかったのは、「オキシジェンデストロイヤー」の登場。しかし、それは使われるのだが、キングギドラは外宇宙出自だから効かず、ゴジラだかがやられる。そこで、我等が芹沢博士の登場。自らの命をなげうって、ゴジラ復活に力を貸す。これが、1954年のゴジラとはひねってあって、感心した。上でも言ったように怪獣についてはほぼ文句ない。それは、ゴジラの中でどれが一番いいかと聞かれれば54年の初代と答える。こりゃ仕方ない。ギャレゴジもシンゴジラもそうだが、最近のは目付きが悪くて。キングギドラについては、もう少し宇宙っぽさがあってもよかったと思うが、3つの首が動いてくれるだけでもう…ラドンの低空飛行もよかった。最後はなんかプテラノドンではなくコウモリっぷりを発揮していたが(Dr.マクガイヤーのニコ生での解説は、怪獣の役割について整理してくれたり必聴の内容だが、中でも秀逸はこのラドンのふるまいに対して、「ごますりクソバード」と名付けたこと)。

あとは気になる点など。怪獣を「タイタン」と名付け神格化し、渡辺謙に「我々こそが彼らのペット」とまで言わせた設定と、タイタンが「ORCA」であっさり操れるというのが、なんかずれている。まあこの辺は、東宝の1965年「怪獣大戦争」から引っ張ってきたからもあるのだろうが。

これ、結末でゴジラは完全いい奴なんだが、これで次作でゴジラとキングコング戦うの?なんか、「マジンガーZ対デビルマン」みたいになるんじゃないの、という気も若干するが、期待しておこう。

VICE

ブッシュ政権の影のボスであることが公になっているという、それで影の意味あるのかという、漫画の悪役(VICE)を地でいくディック・チェイニーの伝記的映画。こういう映画にありがちな、悪く見えるけれども実は案外いい人でした、みたいな展開は…特になかった。実は心筋梗塞持ちでした、みないなエピソードもいまいち同情に結びつかないのは…やってることがひどすきるからですかねえ。

で、これもまた、キャプテン・マーベルなどと同様、一連のアンチ・トランピズムの流れの中の一作と言える。差別しかり同性愛しかり。本作は単に、共和党政権を扱っているということだけでなく、端々にそういったメッセージを入れている。ここ数年のこいったメッセージをこめた映画の機運は、少なくとも歴史には残るだろうが、後世の人はどうふりかえるだろうか。 もちろんメッセージ性だけではなく、笑いもふんだんに盛り込まれているので、ぜひ見てみてほしい。私は完全にこれはコメディだと思うし、実際たくさん笑った。場内で外国人と思われる観客だけ笑っている個所も多くあった。(ちなみに、予想以上に観客がいた。半分くらい埋まっていたかな?)まあ、文化による笑いのツボの違いもあるんだなとは思ったが、それを除いても世界共通でオモシロポイントはある。おすすめはブッシュだ。サム・ロックウェルの完璧なブッシュぶりも見事だが、私が思うに、ブッシュ(息子)の存在そのものがもうギャグなんだと思う。町山さんも言っていたが、こういう、実在の政治家を本人が存命中に(批評的にあるいはコメディ、ギャグとして)扱う映画なんて日本ではできないだろうなあ。そこはアメリカはうらやましいと思う。

さて、ここからはネタバレ全開でいきたいと思う(本作以外のネタバレもあるのでご注意)。構成として攻めてるなと思ったのは、「シュタインズゲート」のアレをやったことだ(シュタゲもネタバレしてほしくない人はここでさよなら)

アレとはアレです、フェイクエンドロールです。シュタインズゲート(ゲーム、最初のやつ)をコンプされた方にはおなじみ、バッドエンドのエンドロールの途中で、電話が鳴りそれがトゥルーエンドへの道につながるというやつ。私はここは「キター」って感じで笑わせてもらったが、まあ、未プレイとしても、チェイニーが副大統領にならずにハリバートンのCEOで人生を終えてる訳はないんで、ここは総勢で、「おいおい、そこで終わるはずないやろ!」とツッコむところですね。

エンドロール後に、途中で70年代にやってたはずのインタビューを受けてる人が突然ヒラリーやトランプの話をしだすという仰天展開があるのだが、これはこういうツッコミを想定して作ったメタ展開ね。こういうとこのセンスがいいと思う。

バンブルビー

ここのとこ目白推しのヒーロー映画の中ではもっも期待してなかったのがこれ。なにしろ、私の中でトランスフォーマーといえば、マイケルベイ。マイケルベイといえば、途中で寝てしまう映画。というイメージなのだから無理もない。それが、今回はスピンオフで監督が違うらしいと急に言われても。予告編を観ても、なんか今回は女の子が相手なんかなんかあざといなあという印象しか抱けず。ところが、聞こえてくる評判がいいもんで、ちょっと観てみようかという気に。おまけに先日、ニコ生のマクガイヤーゼミでトランスフォーマー特集があり、その中であまりにも出演者がおもちゃについて熱く語ったせいで、その中で紹介されたジェットファイヤーグリムロックを思わずポチってしまった。そんな少し興味が湧いた私が観た今回のバンブルビーは…

結局ハードルがあまり上がらなかったのもあるが、予想よりはずっとよかった。てか、ベイのじゃないトランスフォーマーってこんなにいいんだ!ベイ単位でいうと10000ベイくらい。なんだろうね。普通に変形の楽しさがあったり。愛があるせいかな。作りも丁寧で、安心して観れる。確かにあざとい部分はある。ロック少女(結局ロック少女だった)とオタクの組み合わせとか、またしてもの80年代ミュージック押しとか。ティアーズ・フォー・フィアーズはやりすぎ。そしてララランド、デッドプールに続き、またしてもTake on me。どんだけみんな好きなんだよ。しかしそれらはみんな映画の出来がいいので許してしまう。

(この先は一応ネタバレ注意)話は、E.T.だった。こんなにE.T.らしい映画はE.T.ぶりである。異星人を孤独な主人公がかくまうところ。だから皆にばれないようにするところでちょっとしたスリルが生まれる。地球の大人たちはみんな敵。主人公は親とうまくいってない。そして異星人は故郷の仲間に通信を試みる。しかし捕まり、一度は死んでしまう。で復活。最後は仲間がお迎えに来てお別れ。どう?似てすぎでしょう。ここまでやっても面白かったのでこれも許す。

主人公の女の子は、あざといけどナチュラルな感じでよかった。これもオタク向けで、途中でパツキンボディコンの女が嫌ーな役どころで出てくるのが、「俺たち、こっち側だから!」というメッセージ。

キャプテン・マーベル

例によってネタバレ注意。とりあえずは無難な話題から。

本作はIMAX 3D字幕版で鑑賞。ライブでお世話になっている水樹奈々さんが吹替を担当しているのを知ったのは、予約した後であった。まあ結論から言うとかなり良かったので、機会があればリピートしたいとは思う。

本作で一番よかった点は、主人公であるキャプテン・マーベル=ヴァース=キャロル・ダンヴァースである。具体的には、彼女のヒーローの武器である熱を表わす「輝き」この表現が非常にいい。ちょっとスーパーマンとかぶるところがある(地球外という出自やら、スーツやら)が、ザック・スナイダーのように全体を暗くするのではなく、ちょっと暗いところにまばゆい輝きの表現がすばらしい。それと、演じるブリー・ラーソン。初めて見たのは、「キングコング・髑髏島の巨神」で、一応キングコングの相手役だったが、これまでのコング作品のようにそこまでヒロイン然と扱われている訳でもなかったせいか、印象は薄かった。ところが今作ではその魅力が爆発。予告で使われるシーンは目が白目になるとこだったりして怖いのだが、それ以外のところはシュッとしていて、非常に凛々しい。

ストーリーの方だが、ちょっとした裏切りがある。まあこれまでに登場したパターンのうちの一つではあるのだが、単純に善悪で描くよりは深みを与えていると思う。導入部は、いきなり異星での戦争の場面から始まり、ちゃんとツカめるのかと心配になったがあ、杞憂だった。深みというより、これもまたトランプ政権に対する政治的メッセージがしっかり入っている。またかと思う人もいるかもしれないが、明確な適役が社会にいるお陰で、こんなポリコレなメッセージが込められた作品が量産されるのはなんか皮肉である。デッドプール2もそうだし、スパイダーバースもそう。ということはあれか。ハリウッド映画がこれからもいい映画を作ってもらうには、トランプ政権が続いた方がいい!?

スパイダーマン スパイダーバース

「未来のミライ」を押さえ、アカデミー長編アニメーション賞に輝いたので、そんなら見てみるかという軽い気持ちで3D鑑賞。マーヴェルものもアメコミも、実写映画は観るけどアニメははじめてだし。ところがこれが、予想以上に面白かった。ファーストマンとかもあったが、いきなり今年のベスト映画候補。何がいいのか?難しいな。ストーリーはいわゆる主人公のわりとまっとうな成長物語だし、絵作りは凄いけど、それが決め手とも言い難いし…あえて言えば、魂を揺さぶられるところ…かな。あんまりそうでもないところで涙が出てきてしまった。

後、感心したのは、これがいわゆる並行世界もので、一般にはなかなか受けない題材を扱っているにも関わらず、説明がなくても物語に入っていけるように工夫している点。映画に感動して、思わずコミック版「スパイダーバース」を衝動買いしてしまったが、読んでみたら全然違う話でコケたが、この原作?をそのままやるとキツいだろうなと思った。映画では、マイルス・モラレスとおっさんスパイダーマンをフォーカスして、うまく登場人物も整理して観やすくなっている。あと重要なのは笑いの要素ね。感動もしたが何度も笑かしてくれた。

唯一不満と言えば…日本のアニメ起源と思われるペニー・パーカーの作画が今いちなこと。こういうのはグリヒル先生(私が唯一読んでいたアメコミ「グウェンプール」の作画担当)にでもやらせればいいのに。

アリータ バトル・エンジェル

主人公の目が大きすぎ問題(何億ドル?もかけて加工する意味があったのかは疑問が残る)は、物語を観ているうちに慣れた。あと監督がロバートロドリゲス問題については、私はもともと好きな監督だし、そんなに気にはならなかった。ていうか、あんまりロバート・ロドリゲスの味はしない。ダニー・トレホもいないし(いなかったよね?)。やはりこれは巷で言われているようにキャメロンの映画なのかな。

映画は面白かった。私は銃夢は未読(実はあまり好きじゃない)なので、Dr.マクガイヤーのような、原作のどの部分がという観点では評価しない(できない)が、単純に面白かった。特にモーターボールでのスピード感はすごくいい。気になったのは、全体になんとなく漂う、古い表現感?例えば、アリータの決めポーズとか。

ファースト・マン

ファースト・マンは最初あまり観る気はなかったが、推す人が多いので観ることにした。結果大正解。予習してよかったと思うことはあまりないが、岡田斗司夫氏のニコ生は、聴いておいてよかったと思った。

この作品、やたら人物の顔アップが多い。それが、アクシデントの場面では非常に効果的。そのアップが生きるのは、表情での演技のシーン。特に、主人公ニールの奥さんの一挙手一投足が目に焼きついて離れない。この人なんでこん場面でこんな表情してるんだろう?と思ってしまう。実話でのこの夫婦のその後がどうなったかの情報は入れてしまっていたが、そのことがあって余計気になる。劇中の会話でもあったが、孤独というよりも、「普通でないこと」がいやになったのかなと思う。