若おかみは小学生!

この映画は私の嗜好からすると、スルーされるはずの映画だった。上映終了が近いということと、周囲のおすすめプレッシャーで鑑賞して、結果よかったという流れは「カメラを止めるな」と一緒。今回勧めたのは水樹奈々推しと、最近ウォッチしているニコ生主のDr.マクガイヤー。結果的には後者の一押しで鑑賞することになったのは感謝したいところだが、実はネタバレでひどいことになった。詳細については後述(あ、この記事も後半はネタバレします)

鑑賞しての率直な感想。若干不満に思うところもあるものの、面白く観れる作品だった。良かった点を先に挙げておくと、まずアニメーションが丁寧。冒頭の神楽のおじさんの動きだけで、「これは良品」と確信させる。それが細かいところまで生き届いている。話の構成もよくまとまっている。キャラクターもみんな魅力的である。ツンデレ娘の声をあてている水樹さんの演技はちょっと新鮮でよかったし、他の人達も安心して見ていられた。ただお父さんだけ、なんかジブリの匂いがした。

評価がプラスかマイナスかで言うと、明らかにプラスではある。その点了解いただいた上で、Dr.マクガイヤーの評価のように、「今年ベスト1かも」というほどでもない。それは、ちょっと色々言いたいことがあるからで、それをこれから述べる(このあとはネタバレしていきます)

まず、話としてはまっとうに作ってある分、意外性に欠けるという点。この点については、まずDr.マクガイヤーの余計な一言について言及しなければならない。彼は「最近のマクガイヤー2018年10月号」でこう言った。「最後、おっこが絶対に笑顔で対応できないお客さんが来ます。〜俺これ続編できないと思いましたよ。これを越えるお客さんは出ないです。」。これは、映画を最初から観ていれば容易に解答に思い至ってしまうのである。消去法を使うまでもない。それは、両親を事故でなくしたおっこにとっては、その両親を死なせた張本人でしかないではないか。これで俺のびっくりが半減したかもしれないんですよ!どうしてくれるドクター!しかし、この「これを越えるお客さんは出ないです」というのも微妙で、ここからが「おっこが名実ともにこの花の湯(原文ママ)の若おかみになることでそれを乗りこえる(ドクター)」のハードルがまだ甘い。何故なら、その張本人は、悪意があって両親を死なせた訳ではないからだ。過失だったとしても、数ヶ月後に春の屋(だったと思う)を訪れていることから、過失責任はそう重大なものではなかったはずである。だから、「で、それを見てみんな泣く」ところで私は泣かなかった。

意外性のなさといえば、もう少し謎が複雑かと思ったらそうでもなかった点。プリンの謎とか、時々両親をおっこが幻視することについて、色々と深読みして、結果失望してしまったが、まあこれは子供向きということもあるから、私の見かたが悪かったということにしておく。

他にも気になる点はある。それは演出が若干しつこいという点。例えば、おっこが虫やトカゲに驚くシーン。2回ぐらいやっときゃいいって。

言いたい放題言ってしまったが、全体的にはもう一度見たいと思う映画だった。演出のことを色々言ってしまったが、好きなシーンもある。例えば、おっこの初登校で、ピンフリに対しておっこが歯に衣きせずものを言う瞬間の他の生徒の顔は最高によかった。あと、ショッピングでの着替えもいい。こういうところでファッションセンスがないと、テンションが爆下がりしてしまうのだが、ここは大成功。ちなみに私の好きなキャラはグローリーさんである。

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