「ゴジラ」タグアーカイブ

ゴジラvsコング

延期、延期でやっと見れた。公開初日、109シネマズ木場で、3D IMAXで鑑賞。

結論から言うと、楽しめた。が、期待を上回りも下回りもしない、まさにドンピシャ期待通りな感じ。アクションについては、満足。特に水中の怪獣同士の格闘という、あまり見たことないものが見れた。これはプラス。一方、ゴジラの造型、なんか違和感あり。これはマイナス。

もうこのくらいであとはネタバレ?一言で言うなら、鑑賞してから、スラムダンクのラスト山王戦の花道と流川が頭から離れない。観た人は分かると思いますが、いがみあってた二人が最後の最後で協力するやつです。ゴジラ=流川と考えれば、最後のほら、ラストパスあるでしょ。天上天下唯我独尊男のパス。今回あれなんですよね。古今東西、主役張ってる二人の対決の場合、ありえるパターンは、「(1)完全決着つかずドロー終了(シビルウォーキャプテンアメリカ、キングコング対ゴジラ)、(2)本当には戦わない。真の敵は他にいる(バットマンvsスーパーマン、マジンガー→vsデビルマンetc)のどっちかで、メカゴジラ登場となった瞬間、あー(2)だってなるよねそりゃ。もっとも、ギドラの脳が保存されてたこと、今まですっかり忘れてたけど。あまりストーリーのことを言ってもしょうがないのかもだけど、使われてるアイテムはちょっと古くさいのばっかだよね。地球空洞説とかイルミナティとか。出てくるキャラもオタクはいいけどその造形古くない?みたいな。

あとさあ、やっぱどうしても、主役がコングに寄りがち。アメリカ製でこっちはアウェーだからまあしょうがないけど。こっちも2作分は主役張らせてもらった訳だしさ。

ゴジラ キング・オブ・ モンスターズ

一言で言うと、予告編の期待を裏切らない映画であった。そこをはるかに超えてきたかという微妙だが、怪獣映画としては大満足。ドラマがとかこれ以上何を求めるのという感じ。そりゃあ細かいとこで色々ありますがね。まずは怪獣の迫力、美しさを堪能してください。私なんか怪獣の登場のたびにうるうるしてしまった。(逆に、○○のシーンでは別に…な感じ)

それとうれしいのは、怪獣世代へのオマージュというか気遣い満点なところ。伊福部昭の音楽もそうだし、これでもかという小ネタの数々。渡辺謙さんに「ゴッズィーラ」ではなく「ゴジラ」と発音させてるとことか。なので、私のような世代の人にとっては間違いない映画。

では、ここからネタバレありで。特によかったのは、「オキシジェンデストロイヤー」の登場。しかし、それは使われるのだが、キングギドラは外宇宙出自だから効かず、ゴジラだかがやられる。そこで、我等が芹沢博士の登場。自らの命をなげうって、ゴジラ復活に力を貸す。これが、1954年のゴジラとはひねってあって、感心した。上でも言ったように怪獣についてはほぼ文句ない。それは、ゴジラの中でどれが一番いいかと聞かれれば54年の初代と答える。こりゃ仕方ない。ギャレゴジもシンゴジラもそうだが、最近のは目付きが悪くて。キングギドラについては、もう少し宇宙っぽさがあってもよかったと思うが、3つの首が動いてくれるだけでもう…ラドンの低空飛行もよかった。最後はなんかプテラノドンではなくコウモリっぷりを発揮していたが(Dr.マクガイヤーのニコ生での解説は、怪獣の役割について整理してくれたり必聴の内容だが、中でも秀逸はこのラドンのふるまいに対して、「ごますりクソバード」と名付けたこと)。

あとは気になる点など。怪獣を「タイタン」と名付け神格化し、渡辺謙に「我々こそが彼らのペット」とまで言わせた設定と、タイタンが「ORCA」であっさり操れるというのが、なんかずれている。まあこの辺は、東宝の1965年「怪獣大戦争」から引っ張ってきたからもあるのだろうが。

これ、結末でゴジラは完全いい奴なんだが、これで次作でゴジラとキングコング戦うの?なんか、「マジンガーZ対デビルマン」みたいになるんじゃないの、という気も若干するが、期待しておこう。

シン・ゴジラ

ゴジラが(ふたたび)ハリウッドの手にわたり、レジェンダリー版の成功を見てしまっては、もう邦画でどうがんばろうと、あっちに太刀打ちできる作品ができるはずないという思いがあった。

結果、見事に裏切られた。まず、コンセプトの勝利。1点豪華というか、1点突破主義?かつての(2作目以降の)ゴジラシリーズもそうだし、レジェンダリー版もそうだが、エンターテイメントとして成立させるために、様々なドラマやアイテムを入れこむ。見る側のこっちも半ばあきらめ?て見ているフシがある。どうせプロデューサーにあれ入れろこれ入れろ言われるんでしょ?みたいな。ところがこのシン・ゴジラ、すがすがしいほどに余分なものがない。ゴジラが作られた時、誰が政府のゴジラ対策本部だけでドラマを回そうと考えたかね。そんなものが面白くなるなんて、誰も想像つかなかったよな。そういう意味では、これを許したプロデューサーが偉いといえるのか。

ゴジラの造形自体もいい。最初の登場が「あれ?何これゴジラ?別の怪獣?と思わせるところ。うまい。完全形態になると普通になっちゃうんだけどね。

特撮も、蒲田や武蔵小杉(丸子橋破壊!)など、マニアックなチョイス(私にはなじみ深い場所)もいい。ただ、樋口真嗣監督というと、どうしても彼が特技監督を担当した「ガメラ三部作」と比較してしまうが、あっちでの人の死にっぷりと比較すると、こっちのゴジラでは驚くほど人が死なない(画面の前で)。これは監督の違いか。

8/19補足
唯一の不満点、あの石原さとみが演じているキャラが過剰すぎた。アニメキャラっぽくて、あの場の雰囲気とあまり馴染まないと思った。