シン・ゴジラ

ゴジラが(ふたたび)ハリウッドの手にわたり、レジェンダリー版の成功を見てしまっては、もう邦画でどうがんばろうと、あっちに太刀打ちできる作品ができるはずないという思いがあった。

結果、見事に裏切られた。まず、コンセプトの勝利。1点豪華というか、1点突破主義?かつての(2作目以降の)ゴジラシリーズもそうだし、レジェンダリー版もそうだが、エンターテイメントとして成立させるために、様々なドラマやアイテムを入れこむ。見る側のこっちも半ばあきらめ?て見ているフシがある。どうせプロデューサーにあれ入れろこれ入れろ言われるんでしょ?みたいな。ところがこのシン・ゴジラ、すがすがしいほどに余分なものがない。ゴジラが作られた時、誰が政府のゴジラ対策本部だけでドラマを回そうと考えたかね。そんなものが面白くなるなんて、誰も想像つかなかったよな。そういう意味では、これを許したプロデューサーが偉いといえるのか。

ゴジラの造形自体もいい。最初の登場が「あれ?何これゴジラ?別の怪獣?と思わせるところ。うまい。完全形態になると普通になっちゃうんだけどね。

特撮も、蒲田や武蔵小杉(丸子橋破壊!)など、マニアックなチョイス(私にはなじみ深い場所)もいい。ただ、樋口真嗣監督というと、どうしても彼が特技監督を担当した「ガメラ三部作」と比較してしまうが、あっちでの人の死にっぷりと比較すると、こっちのゴジラでは驚くほど人が死なない(画面の前で)。これは監督の違いか。

8/19補足
唯一の不満点、あの石原さとみが演じているキャラが過剰すぎた。アニメキャラっぽくて、あの場の雰囲気とあまり馴染まないと思った。

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