由宇子の天秤

いろいろなとこで激賞されているので、ユーロスペースに見に行った。上映館が少ないせいか、人気なのか(たぶん両方)、ほぼ満席であった。

映画の方はというと…長かった(2時間半以上?)にもかかわらずその長さはあまり感じさせない。いや、嘘。早く終わってくれないかなと思っていた。理由は、終わりに行くにつれどんどん辛くなっていって、そこから早く解放されたいと願ったから。つまり主人公に同化してしまっている訳だ。ドキュメンタリータッチの映画でこういう体験は珍しい。

(この辺からネタバレ)なぜ辛いかというと、主人公はある問題を「天秤にかける」つまり決断することをどんどん先延ばしにしているからだ。そこで分かる通り、主人公は決していい人間ではない。もちろん表向きは妊娠してしまった塾の教え子にやさしくはする。だがそれはおそらく罪悪感(父親が妊娠させてしまった。更に子宮外妊娠の可能性が高く、母体が危険であるにも関わらず、そのまま放置している)にかられてのこと。その辺ふまえると、教え子が入院した時に時計をあげようとする一方、頭をなでようとして止めるという仕草がリアルに感じる。

この主人公を演じた瀧内公美さんはすごくよかった。あと、教え子の父親(梅田誠弘)のクズっぷりとか。

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