「この世界の片隅に」に未公開シーンを加えた本作、ようやく劇場で鑑賞。私の観たテアトル新宿は再上映が最終日で、まさにギリギリ。しかしやはり観てよかった。
予想通り、「この世界の片隅に」ではろくに語られなかった白木リンさんのエピソードがたっぷり盛りこまれているが、実はそれだけではなく、「この世界の片隅に」ではアイテムだけ登場して、説明のなかっったシーンが復活することで、観客がずっと理解しやすいものになっている。例えば、すずが妊娠を疑って病院に行くシーン、元のバージョンではいきなり病院の後夕方になって食事が減っていたが、本作では、すずにリンへの語りとして、検査が陰性だったことを語らせている。なんて親切。原作に登場した、ノートの切れ端も説明されているし、終盤、すずが周作を見送る場面で唐突に口紅を塗っているが、実は、それは遊廓の病気の娘から託されたもので…ということがしっかり説明。最初の水原に鉛筆もらうシーンも、あれ、その前に水原がすずの鉛筆を落としてしまうシーン、あったっけ?たぶんあれも追加されているっぽい。というかそっちが当たり前で、どうしてもそうすると最初のバージョンは説明不足に思えてしまうし、逆に本作は親切にしすぎなんじゃない?と思ったり。
ただ、他によかったのは、2回目の鑑賞ということで、余裕が出てきたのか笑えるシーンは笑えるし(砂糖水とか、憲兵が来た時に周囲が笑いをこらえているのが、2回めだからわかるとか。あと2回目だと、来るべきシーンを考慮すると、やはり晴美ちゃんを見るのがもう切なくて…