日本沈没2020

NETFLIXオリジナルのアニメ。我々の世代にとって「日本沈没」といえば、小松左京の小説そして最初の映画化。その世界を期待したが、実際にはまったく違うものを見せられた。その違いをポジティブにとらえるかどうかが問題なのよね。それをこれから語るんですが、ネタバレしまくります。

実は、第2話を見たあたりまでの印象は最悪。なにこれ、家族サバイバルもの見せられるの?しかもさ、あれだけの地震があったのに家族があっけなく再会するし。母親にいたっては、飛行機が川に不時着したのにあっさり生還。あの、飛ぶ前に見せられるすべり台みたいなやつが活躍っするのはじめて見たわ。その後も、なんやかんや地震あるのにあまり沈まないし、道は自動車で通れるし、その後も死人出ないし。おまけに、なんやかんや電気は使えるし、携帯のバッテリーも減らないし。あとあと、絵が動かない!NETFLIXって予算あるんじゃないの?深夜アニメ並みに動かないんだけど…

といった印象が、3話、4話と進むにつれ、徐々に人が死にはじめる。父親、そして主人公の友人。しかも彼らの死はあまりに突然だし、沈没とも直接関係ない。その後も加速度的に人はやはり死んでいく。だから安心というと不謹慎だが、ちゃんと描いているということ。

そして、最初は元々のテーマと違うじゃんと思ったのだが、原作のテーマを実は今風に焼き直しただけなのだ。沈没というシークエンスの中で社会がどのように動くかというシミュレーションをちゃんとやっている。途中で出てくる宗教団体もそうだし、実は最初家族といってたものが、多人種、ダイバーシティのかたまりみたいで、実は疑似家族というか、今どきの日本コミュニティの縮図であった。最後の方はそれで、沈没後日本人がどうするかという問いにちゃんと答えを出している。(私が見るきっかけになったマクガイヤーゼミのDr.マクガイヤーは、「原作、映画に対するアンサーソング」と評していて、言いえて妙である。最後の方はまあ御都合主義的な展開もあるが、感動した。途中で見るのやめなくてよかった。

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