ベガルタ三連戦

昔、「勝負弱い」と言われ続けた無冠のフロンターレは、どれだけ強くなったのか?2007年、2009年、2016年と比べてどうか?結局のところ、タイトルがとれるほど強くなったのか?を、この仙台との3連戦(ルヴァンカップ×2、J1×1)から考察してみたい。

「メンタルというのも身体や運動能力同様日々鍛える必要がある」というのを、野球マンガ「おおきく振りかぶって」28巻でつい最近読んだ。フロンターレは、鍛えていたのか?少なくとも、ACL浦和戦の時に自分に聞いてみたら、「やっぱり成長していなかった」と答えたことだろう。それまでは、リーグ戦やACLの戦い方をみても、重要な試合ではほぼ勝ちを手にしており、多少は成長したと感じていたのだ。それが、一人退場したとはいえ、初戦3-1のリードを守りきれずに敗戦…

そこからわずか1ヶ月。メンタルというのはそんなに急に鍛えられるものだろうか?ルヴァンカップ第1戦(前半0-3とされながらアウェイゴール2点を奪う展開)は、直接見ていないのでなんとも言えないが、2-0とした後に奈良が退場し、更に直後に1点を返された時、少なくとも多くのサポーターの脳裏にはACLの敗戦がよぎったのではないか。終盤に長谷川が来めたものの、それでもあと1失点すれば延長線という、非常にヒリヒリした思いをさせられた。まあ正直に言えば、メンタル面でそこまでチームを信頼できてないということである。しかし、ACLとは異なる結果となり、フロンターレは逃げきった。

その週末のリーグ戦、鹿島から5ポイント下で、タイトルのためには勝ち続けるしかないフロンターレはまた退場者を出す。今度は前半0-0のタイミングで、更にハーフタイム直前に失点、後半に追加点を許すという、考えれられる限りは最悪の展開。試合後の選手インタビューで「サポーターは誰もあきらめてなかった」と言っていたが、それはサポーターを買いかぶりすぎだ。Gゾーンは知らないが、私のいるメインスタンドの応援は明らかに意気消沈していた。まあ内容的にもほぼ打開の可能性はなかったこともあるかもしれない。だから1つのプレーでここまで展開ががらりと変わる、というのは、単純に驚きしかない。

この数的不利での守りきり、あるいは逆転をどう見るか。以前よりはメンタル的に成長はしていると言えるだろうし、ACLの敗戦が糧になったことも確かだろう。だがこれからも逆境は続く。このJ1でネットと家長が次試合出場停止。特にボランチは大島もいないため、緊急事態が続くし、攻めも今期大きな戦力となっている阿部、家長がいないのも厳しい。つまり、まだまだメンタルを試される試練は続くということだ。まあ一番の試練は「無冠」というフラグなのだが…

そう、この逆境に強い要因としては、鬼木監督の修正能力も挙げなければならない。ACLでは、憲剛を下げたことが色々言われたが、例えばJ1仙台戦の家長退場後は、思いきって不調のネットばかりか、森谷も下げるボランチ2枚替え。長谷川やハイネルを入れた訳だが、ハイネルを入れたあたりからキープできるようになって、「兆し」が見えてきた。その流れから先制につながったので、このあたりも勝因の一つと言えるだろう。

ということで、いち小心者サポーターの結論としては、「油断はできないが、少しは信頼できる」というあたりである。

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