メッセージ

ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。

この映画は去年、トロント映画祭の時に町山智浩さんが激賞していて、上映が始まってからもあちこちでいい評価が上がっているので、かなり期待値が上がっていた。あまりハードルが上がりすぎて、見たらがっかりするのではないかと不安になるほど。しかし、結果は杞憂。大感動、というほどではないが、終わった後の余韻がじわじわ効いてくる、そんな感じ。

内容について分かりにくいと言われていたり、2度見た方がいいと言われていたが、少なくとも私は1度見ただけでほぼ完全に理解したし、1度見ている中で、前のシーンのふりかえりができて、「あーそうだったのか」と納得したりしたので、特に2度見するまでもないと勝手に思っている。もちろん、最初から全貌が見えていた訳ではないので、この映画の見どころの一つである、謎解きのところは正しく楽しめた。(ここは後で少し補足したい)

また、この映画の成功のもう一つの要素はやはり絵づくり。主人公の自宅や、ばかうけ宇宙船の周辺や内部、宇宙人のくりだす表意文字の面白さなど。まあ、中には宇宙人の造形(今さらタコ型?)など若干ベタと思えるのもあっったが。

では、次にネタバレを交じえて。

私が最初混乱したのは、エイミー、アダムスの回想シーンだ。混乱のポイントは、回想シーンというと、それが過去時制だと思ってしまうことだ。しかし、途中で宇宙人には時制の概念がないなどのヒントが出てくるので、軌道修正の結果、正解に辿りつくことができた。正解を見つけてしまえば、この物語はそんなに難しいことはないと思う。

この映画で唯一不満と言える(上に述べたプラスポイントに比べるとあくまでも些事)のは、結末への持っていきかたがややご都合主義な点。まあこれは映画の尺の都合上、やむをえないのかもしれないが。ちょっとパラドックスな部分はおいておくとしても、こう思ってしまうのだ。この映画においては未来は決定的であり、であるからこそ結末の主人公のせつなさが効いてくるのだが、逆にいうと何をしてもどう抗っても運命が変わなないのなら、主人公が積極的に行動してシャン大将(だっけ)に電話しなかったとしても、結局戦争は回避されていたということにならないか?

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