「映画」カテゴリーアーカイブ

ミッドサマー

アリ・アスター監督の映画は、「ヘレディタリー/継承」に続き2作目。ストレートなホラーにあまり魅力を感じない、どこか醒めてしまう自分には、この監督の作品は心に効くホラーで、珍しく怖い。最も前作は終わりが「え?なんか唐突」と違和感を感じてしまったものの、今作、「(色調が)明るいホラー」という文句に魅かれて行った訳ですが、どうだったか。

結論から言うと(珍しく今回はあまりネタバレしないです)、なんだろうこのイヤな感じ。イヤなミステリーを「イヤミス」と言うなら、本作はまさに「イヤホラ」。今回も、心理的にイヤ。何がイヤかって、宗教的なといってもいいけど、共同体にとりこまれていく感じ。抵抗も敵わず。どんどん洗脳されていくし、逃げ場もない。宗教も信じず(正確にはFSM信者だが)、個人主義を貫きたい筆者にはこれが堪える。心に響いたものの、二度と観る気にはなれないのだ。正直に言うと、数分記憶が飛んでいる箇所があり、改めて見直したい気もないではないのだが、嫌な気分がそれを上回る。

スキャンダル

といえば、ケリー・ワシントンのドラマだよねえ。原題は、”Bombshell”で、「爆弾」と「かわいこちゃん」と2つの意味がある。これは両方かけているけど、さすがにそのままでは伝わらないと思ったんだろうね。映画の中では、メーガンケリーがこう呼ばれていた。

この映画は、FOXニュースの社長のセクハラを、セクハラされた女性の立場から描いた映画と予想して観たら、 FOXニュースの社長のセクハラを、セクハラされた女性の立場から描いた映画 だった。そのまんまかよ。そのまんまなんである。つまり予想通りではあるが、以上でも以下でもないということ。それは実名で出す告発のフィクション映画は日本では決して作れないし、主演のシャーリーズセロンやマーゴットロピーやアカデミー賞のメイクアップのカズ・ヒロはすばらしいが、それは最初からある程度分かることで、なんというか、サプライズがないんだなあ。シナリオ的にも演出的にも。決してつまらなくなないけど、なんかこう、もうちょっと欲しい感じ?

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

原作なしミステリー物って、ネタバレを心配しないからいいよね。それに監督が「最後のジェダイ」のライアン・ジョンソンだし。ということで、大いなる期待を胸に抱き観に行った訳です。
…結果、結果…うーむ。
とりあえず、いくつか言いたいことあり。
このあと、基本ネタバレですのでよろしく

基本構成としては、そんな悪くない。最初は倒叙ミステリと思わせて実は…という、確か倒叙基本のコロンボとかでもあったパターンではあるけど、それはいいんですよ。問題は、倒叙で最初に疑われた娘が、最終的に殺人は犯してませんでしたっけことだけど、「結果的にやってない、だからセーフ」ってことにはならないと思うんですよ。探偵が彼女のことを「善良善良」いうけど、そこまで善良?自分が殺人犯したと思ってもそのことは黙ってるし、隠蔽工作もしてるじゃないですか。本当に善良ならまず最初に罪を告白するし、それ以前にこっそりでも救急車呼ぶでしょ。なんなのあいつ。それにゲロ。嘘をつくとゲロはくって設定だけど、それでバレないようにめっちゃ必死になるじゃないですか。それに、嘘ついてからゲロまで、結構時間差あるって、ずるくない?(設定が)。しかも何度もその手使ってるし、ずるくない?

遺産の件にしても、遺言のままだったらあの100歳超えほおばあさんはどうするの?そこも見過すのが善良なの?てことなんだわ。で、あいつ、キャプテンアメリカ。あいつがあやしいの見え見えだしね。あーもう、言いたいことばかり溜まるストレスによくない映画でした。

パラサイト 半地下の家族

本作はハジメ、スルーする気でいた。時間もとれないし、他にも見たい作品あるしで。ところが、本作がアカデミー賞作品賞など6部門にノミネートされ、それだけでなく、「めちゃくちゃ面白い」という評判ばかりが聞こえてくるに至って、「これは見とかねば!」となり、先日TOHOシネマズ日比谷で鑑賞。

で、感想だが、「めちゃくちゃ面白い」。語彙が貧弱?だって、山里さんも宇多丸さんもそう言ってたでよー。何が面白いかというと、まずは笑い。本作は貧乏人が金持ち一家に家族ぐるみ雇ってもらう(家族ではないふりをして個別に)話で始まる。その「騙し」の過程がなんともおかしい。おかしい以上に驚いたのは実は、ジョーダン・ピール監督の「アス」とほぼ同じ構造を持っていること。これは似てる似てるという話は聞いていたが、びっくりするぐらい同じだよね。ポン・ジュノ監督も知らないで作っていて、驚いたらしい。が、話の出来でいうと、こっちの方が100倍いい。何がいいかというと(そろそろネタバレ)、笑い以外にも、観客が、こうなりそうな予感。でもなったらやだなーと思っていると、やっぱりそうなるんかいーみたいな展開。これはエンタメのツボをしっかりおさえている。例えば、金持ちがキャンプに行っている間に、ニセ他人の家族がその家で酒盛りをしていて、しかもわざわざ「こうしている間に主人たちが突然帰ってきたりして」と言うとそれがほんとうになるような展開。あるいはソン・ガンホの父親が最後にとる行動が、唐突のようで、それまでにシチュエーション的にはその種をまいてあり、徐々に臨界に近づくところを見せている点。また、アイテムの使い方がうまい。たとえば雨。突然の雨は不吉の予兆、つまりこれから起きる「地下の住人の発見と格闘」や、「主人一家の突然の帰宅」のしるしでもある一方、主人公たちが帰ってみると、その雨の洪水で半地下の家が水没してるとか。あるいは石。主人公が大事に持っている石は「なんとなくこれで殴ったら人殺せそうだな」という印象を観客に与えておき、おっと実はというちょっと裏切った展開。うまい。

本作は作品賞ノミネート。アジア初だそうである。鑑賞してからなら自信を持って言えるが、作品賞とってほしい。最悪脚本賞や監督賞はとってほしいな。ポン・ジュノといえば私が観たのは「グエムル」程度で、当時はうっすら「パトレイバーのパクリ」といった印象しか残ってないが、ちょっと見直してみたくなった。

テリーギリアムのドンキホーテ

まだパラサイトも観てないのに、最近はまっている伊集院光さんがテリーギリアムのドンキホーテ観てきたというのを聞いて、「あやばい」と思い慌てて観に行った。行ったのは職場近くのkino cinema横浜みなとみらい。この映画館は最近できたのかな?わりと小さめの箱だったので、前で鑑賞した方がいいかもしれないが、椅子などはちょっとリクライニングできたりして、やっぱり新しい感じ。

で、感想ですけれども、「できてよかった」という安心が一番。ギリアム監督は押井節と同じで、わりと同じテーマをまわしたりするじゃないですか。このドンキホーテはわりと観る前から、なんとなく「バロン」や「フィッシャーキング」系だと予想していて、結果予想通りだったというのもあって、そこはまあ期待通りではあったものの、この作品ができた経緯も含めて見直すと、伊集院氏が言うように、その経験すらが作品の中に投影されていて、「ドン・キホーテ」が完成しなかったことを映画にした「ロスト・イン・ラ・マンチャ」までおっかけていた、そしてもう二度とドンキホーテをおがむことはないのかと半ば絶望していたギリアムファンからすれば、やはり感慨深いものがある。

この辺からネタバレです。物語はバロン系なので、夢と現実をいったりきたりする。油断してると、「あれ、これって夢だっけ?」となる。それと、ギリアム作品で重要なのは笑いで、ところどころギャグをはさんでくる。モンティ・パイソン的に一番来たのは、スペインで異端審問?という流れで、「スペイン宗教裁判!」のネタを想起させてくれること。

ところで、この映画を観てから、wikipediaのこの作品の項を見てみると、制作過程が予想以上に艱難辛苦であったことが書かれており、益々「よかったあ〜」という思いを強くさせる。

あ、この作品でもアダム・ドライヴァーよかった。もうすっかりファンかも。で、この作品は、いわば継承の物語な訳ですが、同じアダム・ドライヴァーが出てるスターウォーズEP9よりか、やっぱこっちがいいよねえ。

フォード vs, フェラーリ

この話、ル・マン24時間のフェラーリの牙城を崩そうと挑戦するフォードチームの実話だそうだが、これって実際には個人のたたかいの話だからさ、実際にはむしろ、シェルビーvsフォードみたいな話なのに、どうしてこんな表層的タイトルなんだろうね。ちなみに原題もそのままなんだよね。

で、この話「ラッシュ」が好きなら観るべき!とさんざん言われて、相当ハードルが上がった上で鑑賞したが、ハードル超えてきたね。いきなり男どうしの殴りあい。ヒドゥンか!これがよかった。マットデイモンもいいが、クリスチャンベールの演技がよかったなあ。で、カーレースシーン。CG使わない!気概をしかと見た。迫力あるね。結構怖いなと思ったのは、デイトナのバンクのシーンや、テストコースをビュンビュン攻めるあたり。確かに、これをやられると「ラッシュ」あたりはかなわんなあと思う。

2019年ベスト映画

昨年同様、2019年に観た映画をまとめてみよう。

観た本数はそれなりにあるが、いわゆるアート系は少ないなあ。やはりアメコミ中心にB級もりだくさん。

まずは各賞から。

次は面白かった順。このブログで未紹介のもある。

  1. ジョーカー
    やっぱり今年最大の衝撃だった。
  2. ロケットマン
    ジョーカーが食るまではNo.1だった。
  3. スパイダーマン スパイダーバース
    ロケットマンが食るまではNo.1。
  4. アベンジャーズ/エンドゲーム
    キャプテン・マーベルと迷ったが、祝完結ということで。
  5. キャプテン・マーベル
  6. サスペリア
    何か魅かれるものがある。踊りかな
  7. 仮面ライダージオウ Over the Quarzer
    メタなところが私このみ。
  8. ジョンウィック パラベラム
    一張羅アクション。
  9. 工作 黒金星(ブラックヴィーナス)
    主人公二人の表情が泣かせる。緊迫感も
  10. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
    やっぱりタラちゃん
  11. X-MEN ダークフェニックス
    評価低いが私は好きだよ
  12. スパイダーマン ファー・フロム・ホーム
    よくがんばりました
  13. ゴジラ キング・オブ・ モンスターズ
    これも評価低いが腐っても巨神兵じゃないゴジラ
  14. アス
    ちょっとトンデモな感じだが、ルピタ
  15. バンブルビー
    オーソドックスに面白い
  16. アリータ バトル・エンジェル
    私を今さら木城ゆきとに目覚めさせた
  17. アクアマン
    たたかうニコール
  18. VICE
    アイロニー。あとブッシュがいい
  19. i —新聞記者ドキュメント
    インパクトがあまりないが、よい
  20. ファースト・マン
    ダークな宇宙もの
  21. RBG 最強の85才
    RBG。
  22. ハウスジャックビルト
    ナチ礼賛自虐煉獄風立ちぬ映画
  23. 愛がなんだ
    んーなんだ。岸井ゆきの
  24. ダウンサイズ
    予想してたよりはいい
  25. 魔法少女リリカルなのは DETONATION
    予想してたよりはいい2
  26. ファインディング・ドリー
    予想通り
  27. スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け
    んー。んー。そうかあ。

仮面ライダー 令和ファーストジェネレーション

子供と観に行く。前作は私好みのメタメタな展開であったが、令和の世の最初の映画は、令和のファーストライダーであるゼロワンを中心に据えた、王道のストーリーだった。なので、子供にも(たぶん)分かりやすい一方、現代社会を反映したネタも入れこんでいるので、大人の鑑賞にも堪えるようになっている。例えば、ヒューマギアに人間が差別されて難民キャンプのようになり、そこでレジスタンスを結成しているのはパレスチナなどを彷彿させるし、その難民キャンプに唯一いるヒューマギアのイズが逆にまた差別されるという多重構造を入れるなんてなかなか。マイノリティをテーマにしているのが、とてもX-MENぽい。今回の悪役が、マイノリティであるヒューマギアの立場でありながら革命による人類打倒を目指すなんてまるでフューチャー&パストのマグニートーではないか。またダイバーシティに対する寛容の問題は、シンギュラリティとともにTV版と共通するテーマである。この共通のテーマで映画を作ったのは、連続性としてはよかった。そこへ前作キャラのジオウの絡ませ方は、やや強引ではある(ナニシロ、最終回で別のライダーのない世界に再生させているので)が、タイムジャッカーをうまく使っていた。で、ジオウは第2回から子供と観ていたので、やはり復活はうれしい。

スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け

映画に対する評価は、その対象をどのような立場で捉えるかによって変わってくる。スターウォーズ(SW)について言えば、私はシリーズとしてはそんなに大好きではないがわりと好き、前作「最後のジェダイ(TLJ)」はかなり好きという立場。とうぜん、SW大好きという人だとまたTLJについても変わってくるだろう。それは本作についても言える。ちなみに私は、前々作の「フォースの覚醒(TFA)」はあんまり好きではない。町山さんが「ベスト盤」と評していたが、あまり目新しさがないからなんだろうな。その点TLJがよかったのは、斬新なチャレンジがあったから。

で、本作はというと、TFAと同じJJエイブラムズ。この時から若干嫌な予感はしてた。TLJがどういう作品だったかというと、JJの古臭さをライアン・ジョンソン監督がすべてぶち壊したという意味で斬新だった。カイロ・レンのマスクをぶち壊したり、パルパティーンのコピーみたいなスノークをあっさり殺したり。旧作のメインキャラもレイアを除きお掃除。で終わって、さあ次作どうなるというところで、再びJJ登場。さあJJこの流れをどうする?という流れだった訳だ。

予告が流れてパルパティーン復活を知ったとき、「悪い予感がした」訳である(本作でもI have a bad feelingを誰かしゃべってたな)。そこで、タイトルの「スカイウォーカーの夜明け(The Rise of Skywalker)」である。TLJで、レイはスカイウォーカー家のものではなく、誰でもない子ということになった。が、スカイウォーカー家はレイアとカイロレンしかいなくなっており、まさか、まさかのレイ=スカイウォーカー説復活!?と勘繰ってしまいさえする。

で、前作の挑戦に対し、(この辺からネタバレ注意)JJがどうしたかというと、ジョンソン監督に壊されたものは軒並み修復してきた。壊されたカイロレンのマスクは作り直す。スノークの代わりに、死んだはずのパルマティーン復活。これではあれじゃない?結局、ジェダイの帰還(TROJ)の焼き直しをするだけじゃない?という悪い予感がビンビンしてくる訳だ。細かいとこでは、TLJでライトセイバーをポイッとしたルークに、「武器を粗末にするな」と言わせたり。この辺かなり意図的にやってるだろ。

ストーリーも、始めの方、なんか修行していて「また修行かよ!」と思わせるし、その後も既視感バリバリ。脚本もさあ…なんで、大事な古代の剣をチューイに持たせとくの?でそのまま外に出すの?なんでデストロイヤーの警備は、コイン1個で認証して中に入れてしまうの?とか。いきなりクライマックスの話になってしまうが、パルパティーンがレイに自分を殺したら皇帝になるとか言ってレイは殺すのをいったん止めるのだが、結局最終的に殺してめでたしめでたし。え?さっきのはなしになってたの?

けなしばっかりしたが、絵作りはなかなかよかったと思う。最初の林の中のカイロレンのシーンはよかったし、リモートでレイとカイロが戦うシーン。アダムドライヴァー絡みのところはだいたいよかった。

最後のレイの正体については…「なるほどそうきたか」と意表をつかれた。しかし、その後の展開は、やっぱりTROJと同じだったね(罪を背負ったアナキン=ベンが改心してルーク=レイを命がけで救う)。そして最後、レイがとんでもない裏技でスカイウォーカー襲名!途中は違ったが俺の言った通りじゃん。結局JJこれにつなげたかったか。

この作品の評価はむずかしいが、間にTLJがはさまれたことで、本作が単調になりがちなところが救われたと思う。JJも前作の流れが無視できなくて苦労しただろうし、それで若干のひねりが入ってくれたのだと思う。しかしこのシリーズは続きそうだねえ。今作初登場のルピタ・ニョンゴのストーリーとかもできそうだしね。

あ、そうそう、前作で既に鬼籍に入られていたキャリーフィッシャーですが、本作でも登場してましたね。さすがにセリフも動きも少なかったが、ここまで本人再現できてしまうんだ、と思ったね。

i —新聞記者ドキュメント

森達也監督の映画なので、なかなか時間が作れなかったがなんとか鑑賞。

監督の他の作品、例えば「FAKE」は、ドキュメンタリーでありながら、はたして観ているものをどうとらえたらいいのか、視聴者を混乱させる仕掛けの多い作品だった。それに比べると本作はだいぶストレートだ、というのが見始めたときの印象。だって、「A」「A2」や「FAKE」って、同じ密着ドキュメントだけど、これらの作品では、森監督は密着相手と決して同じ立場に立っている訳じゃないじゃない。ところが、「i」は違う。同じ立場じゃない。だから、構成としては普通だよね

と、思っていたんだが、最後の最後でくつがえされた。それは「i」というタイトルの意味が分かる瞬間でもあるんだけど、一つの映像が挿入されているの。それは、丸坊主の後ろ姿のアップから、だんだんカメラが引いてくると、周りの群集が丸坊主の人をあさけっているのが分かってくる。そこにナレーションが入る。それは、パリ解放の後で民衆たちが戦時中ナチ相手に娼婦をしていた女性を丸刈りにして、晒し者にした様子だった。「え?最後にこれ?」と思ったね。だって、安部首相や 菅 さんもナチも同じ権力側とすると、それに抵抗する人達=主人公の望月さんの周りにいる人達という構図になっている訳じゃない。それを無条件礼賛かと思いきや、いきなりひっくり返してみせるのだ。そして「i」の意味が語られるが、i(アイ)とは、1人称単数のiだ。つまりこれは、個人、しかも自分自身についての話なのだ。決して主人公は民衆ではない。どんな立場であろうと、民衆に対する個人の映画なのだ。実は、1人称というのは、森監督自身のことも言っているのだ。ひとり戦う望月さんの姿を見て、自分自身はどう行動するのか。そんな問い掛けの映画だと思った。映画の最後で、街頭演説をする菅さんとそれをじっと見つめる望月さんの脇で、森監督がささやかな抵抗を警官に試みるシーンがある。それがほんとにどうでもいいようなもので、「ちょっと横断歩道を渡らせてくれ」「だめです」みたいなやりとり。ほんとどうでもいい。最初はなんでこんなシーン入れるのかと思った。でも、これこそが森監督が自分、「アイ」の行動として見せたかったことなんだよね。やっぱり森さんはあなどれない人だと思った。それを思ったのは、すっかりリベラルっぽくなった籠池さんのインタビュー映像に、さらっと森友学園の生徒のシーンを挿入しちゃう。こういうとこ、ほんといやらしい(褒めてます)。