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J1第32節 C大阪-川崎

優勝がかかったこの試合、自分は仕事で、長居に行くことはできなかった。負けたが、2位の広島が仙台に破れたため、優勝が決定。現地にいない身としては、正直、素直に喜べない気持ちの方が強かった。現地に行っていたとしてもやはり微妙だったのではないかと思う。それは2度目だからということではなく、ここのところセレッソにまったく勝てていないということが大きい。いつのまにか苦手意識が強くなってしまったのか…しかも展開的に、いったん追いついたのに最後のアディショナルタイムで失点という最悪の流れ。

ではあったのだが、やはりここはカップ戦ではなくリーグ戦。シーズントータルで考えるべきと切り替える。

その他たくさん書いたら、書いた内容が消えちまった…シーズン総括についてはまたのちほど。

若おかみは小学生!

この映画は私の嗜好からすると、スルーされるはずの映画だった。上映終了が近いということと、周囲のおすすめプレッシャーで鑑賞して、結果よかったという流れは「カメラを止めるな」と一緒。今回勧めたのは水樹奈々推しと、最近ウォッチしているニコ生主のDr.マクガイヤー。結果的には後者の一押しで鑑賞することになったのは感謝したいところだが、実はネタバレでひどいことになった。詳細については後述(あ、この記事も後半はネタバレします)

鑑賞しての率直な感想。若干不満に思うところもあるものの、面白く観れる作品だった。良かった点を先に挙げておくと、まずアニメーションが丁寧。冒頭の神楽のおじさんの動きだけで、「これは良品」と確信させる。それが細かいところまで生き届いている。話の構成もよくまとまっている。キャラクターもみんな魅力的である。ツンデレ娘の声をあてている水樹さんの演技はちょっと新鮮でよかったし、他の人達も安心して見ていられた。ただお父さんだけ、なんかジブリの匂いがした。

評価がプラスかマイナスかで言うと、明らかにプラスではある。その点了解いただいた上で、Dr.マクガイヤーの評価のように、「今年ベスト1かも」というほどでもない。それは、ちょっと色々言いたいことがあるからで、それをこれから述べる(このあとはネタバレしていきます)

まず、話としてはまっとうに作ってある分、意外性に欠けるという点。この点については、まずDr.マクガイヤーの余計な一言について言及しなければならない。彼は「最近のマクガイヤー2018年10月号」でこう言った。「最後、おっこが絶対に笑顔で対応できないお客さんが来ます。〜俺これ続編できないと思いましたよ。これを越えるお客さんは出ないです。」。これは、映画を最初から観ていれば容易に解答に思い至ってしまうのである。消去法を使うまでもない。それは、両親を事故でなくしたおっこにとっては、その両親を死なせた張本人でしかないではないか。これで俺のびっくりが半減したかもしれないんですよ!どうしてくれるドクター!しかし、この「これを越えるお客さんは出ないです」というのも微妙で、ここからが「おっこが名実ともにこの花の湯(原文ママ)の若おかみになることでそれを乗りこえる(ドクター)」のハードルがまだ甘い。何故なら、その張本人は、悪意があって両親を死なせた訳ではないからだ。過失だったとしても、数ヶ月後に春の屋(だったと思う)を訪れていることから、過失責任はそう重大なものではなかったはずである。だから、「で、それを見てみんな泣く」ところで私は泣かなかった。

意外性のなさといえば、もう少し謎が複雑かと思ったらそうでもなかった点。プリンの謎とか、時々両親をおっこが幻視することについて、色々と深読みして、結果失望してしまったが、まあこれは子供向きということもあるから、私の見かたが悪かったということにしておく。

他にも気になる点はある。それは演出が若干しつこいという点。例えば、おっこが虫やトカゲに驚くシーン。2回ぐらいやっときゃいいって。

言いたい放題言ってしまったが、全体的にはもう一度見たいと思う映画だった。演出のことを色々言ってしまったが、好きなシーンもある。例えば、おっこの初登校で、ピンフリに対しておっこが歯に衣きせずものを言う瞬間の他の生徒の顔は最高によかった。あと、ショッピングでの着替えもいい。こういうところでファッションセンスがないと、テンションが爆下がりしてしまうのだが、ここは大成功。ちなみに私の好きなキャラはグローリーさんである。

バトル・オブ・ザ・セクシーズ

私はナブラチロワ世代なので、本作の主人公であるキング夫人のことはよく知らず、本作の「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」の実話の方も(結果も含めて)知らなかった。そのことが本作の鑑賞に、スリルという意味での好影響を与えたのは確かである。しかし、男女差別の悪い男に立ち向かう正義の女子!のような単純な話ではなかった。プロットはその通りなのだが。それよりもよりパーソナルな映画だった。ビリージーン・キングは決して勇者ではなく、敵のボビー・リッグスもただの悪者ではない。その等身大な二人が止むを得ず、茶番のような戦いに巻きこまれていく、そんな話だ。「茶番」と言ったが、「性別間」というのは建前で、実は賭けの材料だったり、視聴率だったり、そんなものが本当の目的。だけど、いろいろ背負わされてしまったキングが立ち上がるが、それは必ずしも、見えない「女性」という見方のためにはあまり見えない。だが、その空々しさがない分、ドラマがリアルに見える。

最後のバトルの部分はとてもリアルに作られており、淡々と試合経過を追っているようで、観客をその「バトル」に引き込み、観客を最後には感動に誘う。要は、その最後のバトルの意味づけを延々その前のドラマでやった訳。この構成はうまいと思う。私にとっては「アイ・トーニャ」に続く、実話ものの感動の再現となった。

アイ、トーニャ

「トーニャ・ハーディング」と聞けば、すぐに「ナンシー・ケリガン襲撃事件」という言葉が連想できる、それが我々の世代である。といっても、事件の細かい部分や背景についてそれほど知っている訳ではない、なんだったらこの映画で出てきたように「トーニャが直接、ナンシーをフルボッコにしたとみんなが思っている」、それが我々の世代である。この映画はそんな我々の世代向けに作られた、訳でもないのだろうが、最終日に行ったら観客はそんな世代の人達ばっかりだった。

この作品は主演のマーゴット・ロビーが自らプロデューサーを努めてまで、やりたかった作品だという。作品を作るにあたって、トーニャ側の主要人物に徹底した取材を行った。その結果、ナンシー側の視点からの描写はなく、事件までの経緯はほとんどトーニャ側の観点で描かれる。トーニャ側といっても、トーニャと元夫の発言には食い違いがあるが、それもそのまま描いている。視点は偏ってはいるが、決して客観性を失った訳ではない。事件そのものにしても、「トーニャは100%イノセント」なんて描き方はしていなくて、むしろ「え?その会話をしてる脇にトーニャいたの?じゃあれとあのことは少なくとも知ってたよね」ということを暗示し、客を一方向に流して安心させないようにしている。

が、しかし、この「物語をほりさげる」ことで、スケートシーンの凄さ(これはCGも使っているが、マーゴット自身の演技もかなり入っている)が活きてくる。最初にトリプルアクセルを決めた大会の興奮や、リレハンメルの決められた失敗に向けたどうしようもない緊張感を、観客は共有することができる。今年の映画のあらゆるアクションの中で、随一の出来といっていい。エンドロールでは本人によるトリプルアクセルの映像が出てくる。こちらを出すことで、あらためて本人の凄さを観客は知ることになる。うまい構成だ。

アカデミー助演女優賞を獲得した母役のアリソン・ジャネイの演技が評価されている。彼女の冷血な演技もいいが、マーゴットも負けていない。単純な善玉悪玉でない役、でもどうしようもないホワイトトラッシュの役、といった複雑な演技を完璧にやりきった。彼女が演じたトーニャのキャラは、確かに一部では嫌われそうではあるが、一方で、例えばフィギュアスケートが体現しているような既成概念に対する反逆者でもある。ZZトップの曲にのせて踊りだす彼女を、当時もう少し上の年齢だったら好きになっていたと思う。

2017年映画ベスト

観た映画も出揃ったので、ベストを決めてみようと思う

・作品賞:「メッセージ」
・主演男優賞:マイケル・ファズベンダー「エイリアン・コヴェナント」アンディ・サーキス「猿の惑星 聖戦記」
・主演女優賞:シャーリーズ・セロン「アトミック・ブロンド」
・助演男優賞:アダム・ドライヴァー「スターウォーズ 最後のジェダイ」
・助演女優賞:ベティ・ガブリエル「ゲットアウト」
・脚本賞:「女神の見えざる手」
・撮影賞:「メッセージ」
・音楽賞:「アトミック・ブロンド」

ベストを上から並べるとこんな感じ。

  • メッセージ
  • 女神の見えざる手
  • ワンダーウーマン
  • スターウォーズ 最後のジェダイ
  • ゲット・アウト
  • ダンケルク
  • ゲット・アウト
  • アトミック・ブロンド
  • 猿の惑星 聖戦記
  • ドリーム

2017年に観た映画

2017年はこれまでになく映画を観ている。なかなか感想を書く暇がないので、まとめてやろうと思う。ちなみに今年はまだ、ブレードランナー2049、ゲットアウト、ジャスティスリーグなどを鑑賞予定である。

なんとなく、上位から順に。ちなみに、まだ暫定1位はメッセージである。

  • 女神の見えざる手
    あまり期待しないで観たら、すごくよかった。これは同じジェシカ・チャスティンが主演した「ゼロ・ダーク・サーティ」もそうだが、決して主人公は善人として描かれていない。主人公は銃規制を実現するため、今までの会社を辞めて目的のためにつき進むという、正義のレジスタンス的設定をもらっておきながら、なまじ優秀なロビイストなだけに、やることが卑劣。時には味方をもだまし、利用する。ついには仲間や上司にも見放されてしまう。相手側に反撃され、聴聞会で追い詰められた彼女の運命は…という展開は、大逆転であればカタルシスのある結末なのだが、これまでに罪を山ほど背負ってしまっているだけに、爽快ではない。爽快ではないが、逆にそれが重みをもって我々に感動を生む。
  • ワンダーウーマン
    これは、ガル・ガドットの起用で半分くらい成功している。とにかくたたずまいがいいし、アクションも決まっていて、ヒロインといいうよりヒーローにふさわしい。この映画で前半の少女時代が長くて退屈だとか、最後の戦いが、途中の「ノーマンズランド」に比べると弱いなどの批評があったが、私はそうは感じなかった。生い立ちの部分は後の展開を考慮すると必要だし、クライマックスは、あれはちょっとマトリックスだかドラゴンボールになってしまっているのは確かだが、まあやむをえないところ。ノーマンズランドの場面は文句なしにすばらしい。キャラクターで印象に残ったのは、ドイツの兵器開発者のマル博士。
    これは女性解放がテーマになっているということで、ワンダーウーマンは文字通り強いし、パートナーの方はそれを支える形になっている。観客はカップルが多かったが、わかって見に来てるんだろうか。ぜひ感想を聞いてみたい
  • ダンケルク
    これは…やはり戦争映画というよりホラーだ。予告編は実によくできていた。船にぎっしり詰めこまれた兵士たちが、爆音にいっせいにふりむく部分。めちゃ怖い。その後も船内に閉じこめられて、外から撃たれたりなど…怖すぎて、2回は観れそうにない。
  • アトミックブロンド
    これは…シャーリーズ・セロンのキャラクターあっての映画だなあ。キャラクター映画として楽しませてもらった。しかし続編はありうるのか?あとは80年代の音楽がなつかしい。
  • 猿の惑星 聖戦記
    シーザーものの完結編。結末はある程度予想できる。これは、シーザー、いや、アンディ・サーキスの表情を楽しむ映画だなあ。あと、適役の猿の演技もよかった。これで終わりかと思うと少しさびしい。アンディ・サーキスにはアカデミー主演男優賞をとってほしいな。
  • ドリーム
    「Hidden Figures」が改題されて。昔黒人や女性差別がこんなにひどかった、という話だが、才能があるのに生かされないのがいかにおろかか、というテーマをつきつめると、唯才主義になるんだな。まあアメリカ的にはそれが正しいのだろうが。あまりこの辺がしめっぽかったり悲惨にならないのはよかった。まっとうなつくり。
  • キングコング 髑髏島の巨神
    キングコングにはあまり思い入れがないのだが、3Dとして楽しめた。あとはサミュエル・L・ジャクソン。早くゴジラとの対決が見たいな。
  • ELLE
    ポール・バーホーベンの新作。なんだか変な映画だった。自宅でレイプされた女性がその後とる行動が物語の最後までおかしく、つかみきれない。でもこれはコメディーなんですよね。ところどころ笑える箇所はあった。車をぶつけて駐車スペースを確保するところとか。
  • エイリアン・コヴェナント
    リドリースコットの手によるエイリアン最新作ということで。監督は「オリジナル越えた!」と言ってたが、怖さや物語としては、第1作は越えてないな…今回の結末は、途中からなんとなく客に予想させて、最後で「やっぱり…」という感じ。まああのキャラは嫌いではないが。
  • ローガン
    映画館で観るつもりはなかったが、飛行機で観ることができた。ヒーローものが終わる時の禁じ手のような形。まあまあ面白い。
  • スノーデン
    あのスノーデンを、事件の前の従軍の頃から追って人物像を浮き彫りにするという趣向。まあ、オリヴァー・ストーンらしいなと思った。最後のトリックは実話ではないらしいが、映画の仕掛けとしてはあり。
  • 22年目の告白ー私が犯人ですー
    うーん。なんだろうな。あまり意外性を感じられなかった。それがウリなんだろうけど。藤原竜也がやっちゃうからかな。
  • パワーレンジャー
    うーん。特撮ヒーローの第1話を2時間ちかくにひきのばして見せられた感じ。特撮シーンをいっぱい期待する向きには、おすすめできない。

 

4DX初体験

私は4DXが好きではないので、今まで誘われでもしない限り自分から行くことはなかった。座席が動くとか水が出るとかなにその子供だまし?と思っていたし、本編鑑賞の邪魔でしかないと思っていたし、そんなことのために高い料金を払うのはアホらしいと思っていた。若い子らがテーマパークのアトラクション的に使うならまだしも、この年でデビューはきついだろ。

ところが、ひょんなことでその「誘われ」イベントが発生し、4DX初体験をすることになった。ちなみに見た映画は、「魔法少女リリカルなのは」。知らない方のために一言で説明すると、女の子向けの皮をかぶった大きいお友達向けアニメである。どんな風に大きいお友達向けかというと、変身シーンで幼女が意味もなく裸になったり、女の子同士のホモソーシャルな関係が描かれたり、魔法少女なのに武器でガチ戦闘する、といった具合である。繰り返すが、誘われたので私のチョイスではない。ショタではあってもロリでない私が自ら選択するはずもないのである。

で、4DXですが、本編の前の4DXのデモンストレーションからしれもういきなり「こりゃダメだ」と思った。椅子からずり落ちてしまいそうなほど動きがはげしい。しかも予想してた以上に水が顔や腕にかかる。思わずシートベルトを探してしまったほどである。

本編が始まったで、こっちも4DXの動きの違和感でなかなか話に没入できない。激しい動きのもそうなのだが、変なところで無駄に動いたりするのだ。例えば、景色が上から下にパンしていく(カメラが移動していく)だけで、席もそれに合わせて微妙に下を向いたり、あるキャラを下からアオリで撮ると、今度は上を向いたりする。これには思わず「こんなとこまで使うんかい!」と笑ってしまった。しかしさすがに時間が経つにつれて慣れてくると、ちょっと動きを楽しめるようになってきた。クライマックスの戦闘ではだいぶふりまわされたが、この頃にはだいぶなじんでいた。ただ水はなあ…こんなにたくさんはいらないよ。おあつらえ向きにこの映画、やたら水上での戦闘やら、雨やら、水に飛びこんだりするシーン続出するのだ。ある意味4DX向きとも言えるのだが。

で、肝心の映画の中身の方は…この映画はTVシリーズを2010年に映画化したものだそうだが、若干の切り詰め感はあるもののおおむねよくまとまっているし、退屈するところはそんなにない。また、作画も映画化にあたり全面書き直したそうで、やたら気合が入ってるのが伝わってきた。結論から言うと、内容と4DXを含めて、悪くなかった。クライマックスを含め、やや主人公であるなのはの影が薄い気がしたのはご愛嬌か。ちなみに主人公なのはの声をあてているのが田村ゆかり、もう一方のフェイトという主要キャラの声をあてているのが水樹奈々、歌も田村ゆかりが1曲(エンディングテーマ)、水樹奈々が2曲(主題歌、挿入歌)となっている。それにしてもエンディングテーマと主題歌の違いってなんやねん!?どちらも映画の終わりに流れるのだが、「エンディングテーマ」が本編とともに流れた後で、エンドロール付きで「主題歌」が流れる。色々な大人の配慮を想像させてくれる映画となっております。