仮面ライダー 平成ジェネレーションズ FOREVER

子供と一緒に鑑賞。(例によってネタバレあり)。そうねえ。これが平成ライダーくくりで撮れる最後のチャンスなのだな。

子供は今期から仮面ライダー(ジオウ)を見ている。この作品そのものが、過去のライダーとの関わりを描く都合上、過去のライダーも登場するのだが、今回の映画はなんと平成ライダーが勢揃い。私は昭和はある程度馴染みがあるが平成はさっぱり。子供は1時間を越える映画を観るのははじめて。

そんな不安だらけで観始めた映画であったが、結果としてはよかった。子供が最後まで席を立たずに観てくれたのはもちろん、ストーリーもある程度までは理解。「かなしいはなしだったね」とのこと。この話、子供向けとしては大胆にも、「仮面ライダーが架空の(TV上の)存在だった」というメタな設定を持ってきた。子供によっては、夢を壊されるのではないかという懸念もあるだろうに。わりと勇気のある設定だと思う。もちろん、最後には、「架空だったとしても、それはそれを信じる人がいれば実在する」というところに落としていくのだが。

あとは、キャラクター総出演問題。アベンジャーズを越える?キャラクターそれぞれに見せ場をチュクらないといけないが、さすがにある程度メインで活動するキャラは絞っておいて、最後のラスボス戦では全部見せ場を作る。インフィニティーウォーには敵わないかもしれないが、そこそこがんばっていたし、クライマックスのアクションは十分見応えがあった。

ジュラシック・ワールド/炎の王国

例によってネタバレ満載です。

ジュラシックシリーズの映画を映画館で観るのは初めて。予告編が、火山が噴火して恐竜が逃げて、ああ、恐竜どうなる!?って引きで終わっていて。その流れで映画を期待すると、その部分は前半の前半で終わってしまい、後はなんと、密室劇が繰り広げられる。館ものですよあなた。アガサクリスティか。前半の、ダイナミックな舞台に比べると、スケール小さいで。ちょっと私はそれががっかり。

ハン・ソロ スターウォーズ・ストーリー

これは、イタリアに行く機中で鑑賞。ということは、もともと映画に対する期待値はあまり高くなかったことを意味する。そして帰りの時には、何を見たのかすっかり忘れてしまっていた。つまり、印象に残らなかったとうことだ。かといって、すごくつまらなかったり、ひどかったりしたらそれはそれで記憶に残るはずだから、私には毒にも薬にもならなかった、ということだろう。

まあ、もともと私はスターウォーズ自体は嫌いではないがそれほど熱心な信者でもなく、その中でもハンソロというキャラクターはどうでもいい部類に属する。ハンソロやチューバッカ萌えなら楽しめるのだろうが。何が悪いというより、ほんとにとんがったところがない。すべてが予測範囲内。唯一よかったといえば、「ゲーム・オブ・スローンズ」に出ているエミリア・クラークちゃんが出てることぐらいか。彼女は存在感があった。でもそれだけ。

華氏119

昔、レイ・ブラッドベリの「華氏451」という小説があり、それにあやかって作られた映画がマイケル・ムーアの「華氏911」(ナインイレブン)。今回はトランプが大統領に選出された日付(11/9)に置きかえて「華氏119」。整理しておかないとなんだか分からなくなる。

この映画は、要するにトランプがなぜ選出されることになったのか。それはどういう意味を持ち、今後どのような事態が想定されるかということを言いたいのだと解釈。それに、ミシガン州の水汚染問題を副テーマのように絡め、話もあっちにいったりこっちに来たりするので、やや散漫な印象。最も、この水汚染の話などは日本にはほとんど伝わってこないので、貴重な情報ではある。が、まとまりとしてなら、「世界侵略のススメ」の方がよかった。要するに最も主張すべきは、「みんな政治に絶望せず投票に行こう。行けば本来の多数派の意見は反映される」ということで、それは作品の中盤あたりで言ってしまっており、あとは蛇足みたいなもん。トランプをヒトラーに重ねあわてたくなる気持も分からないではないが。

今回、よかった、というかやはり上手いと思ったのは、みんなをその気にさせる演出だ。特に導入部。選挙戦前夜から当日にかけての、ヒラリー陣営の勝利を確信した浮かれっぷり。その後どうなったかを知っている我々はタイムマシンで過去に戻ったが、結果を変えることも、彼らに伝えることもできない虚しさ。「どうしてこうなった?」に観客の感心を誘導するところはさすが。

それから、これが公開されたのは丁度アメリカの中間選挙の直前だった。中間選挙では、民主党に若い、新しい議員たち(特に女性)が誕生した訳だが、マイケル・ムーアは敏感にその動きを嗅ぎつけて紹介している。メインで紹介されたバーニー・サンダース・チルドレンのアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏は見事当選。まあこれは予言というより、後押しというべきか。

それから、例の銃撃事件に絡んで、エマ・ゴンザレスの無言の6分間(映画ではやや編集して短め)が紹介されているが、これはムーアの功績というより彼女の力に負うところが大きい。それでも彼女を中心とした若者たちが、政治を変えられるというパワーを示したことを、映像で見せられたのは、将来への希望につながる終わり方だった。

マイティ・ソー バトルロイヤル

この邦題についていろいろ言いたくなる人もいるようだが、まあよほど深刻な映画と思って観られるとあれれとなるので、その気持ちもわからんでもない。まあ予告編でだいたいバレバレな訳だが。予告編を事前にチェック済みの私でも、予想以上にエンタメ寄りに感じた。ちなみにこれは悪口ではなく、DVDスルーしてしまったことを公開している。この軽妙さのバランスが絶妙なのだ。(以降ネタバレ)ソーは目を潰されたり、アズガルドが崩壊の危機にあったり、話としては大分重くなってもおかしくないのに、だ。しかも、悪役は悪役でしっかり存在感を出してくれるケイト姉さん=ヘラ。このキャラ、前評判も良かったがやはりかなりいい。なんといっても立ち姿がいちいち決まっている。

で、私はインフィニティ・ウォーを先に見てしまったので、オープニングで彼らがなんでこうなっているのかようやく理解。

ヴェノム

結論:思っていたのと違った。

 初期の予告編を見て私はかなり期待していた。普通のヒーロー物ではなく、ヴィラン(悪役)が主役になるということで、かなりダークなものが見れると思ったのだ。ところがふたを開けてみれば、何?「いい人しか食べちゃいけない」?何それ?寄生獣かよ!まあ寄生獣なんだろうけど、そのルールを設定したところからドラマが展開するならまだしも、最後にとってつけただけ!?まあシリーズ化も見越してなのかもしれないが、もったいない。

もう一つ、テイストがダークではなく、むしろギャグに寄せていることだ。これはこれで面白いはそうなのだが、私の期待していた方向とは違う訳で…結局、映画秘宝で柳下氏が言ってたのとほぼ同じになってしまった。惜しい。

ボヘミアン・ラプソディー

予告を見て「すごく見たい!」と思った映画。

今年は実話をもとにした映画の公開が多いね。「アイ、トーニャ」「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」もそう。そんな中、一オシの映画が来た!私の中では今年観たベストに推したい。

この映画、まず題材選びで成功している。伝説のバンドクイーンと、エイズで夭折したフレディ・マーキュリー。彼の出自とセクシャリティー。バンドとしての成功と確執、ソロ活動…もうドラマてんこ盛りではないか。よく今まで映画化されなかったもんである。ずるい。しかし、素材がよくても無駄にするシェフもいる中、この映画のシェフはうまくやった。まず、クライマックスに「ライブ・エイド」ももってくるうまさ。あとキャスティング。フレディーは本当にこれしかない!という役者を見つけてきたし、他のメンバーも(特にブライアンがぴったり!)。あと細かい演技や演出もいい。婚約で絶頂のはずのメアリーの漠然とした不安や、フレディの視線の演技。フレディがエイズを告白するシーンでは、ショックを受けるロジャーの演技で思わず涙ぐんでしまった。

後は、適切な曲の使い方。使われる曲の歌詞が随所随所にマッチしていて驚く。ライブ・エイドの際に使われた曲は、フレディの意思が強く出たものだろうが、自分の運命を意識したものとなっている。

映画でライブのシーンは実際の音源を使い、口パクで演技しているのだろうが、自然に再現されていて、本当にそうだったのか?と疑うレベル。ちなみに、映画にはまったのですぐにサウンドトラックをダウンロードしたところ、映画で使われたと思われるライブ音源が入っていた。これを聞いて、フレディの声に驚いたのだが、それは余談。実際の演技やゲームをそっくり再現という意味では、先ほどの「アイ、トーニャ」や「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」もやっているが、その中では一番成功していると思う。

J1第32節 C大阪-川崎

優勝がかかったこの試合、自分は仕事で、長居に行くことはできなかった。負けたが、2位の広島が仙台に破れたため、優勝が決定。現地にいない身としては、正直、素直に喜べない気持ちの方が強かった。現地に行っていたとしてもやはり微妙だったのではないかと思う。それは2度目だからということではなく、ここのところセレッソにまったく勝てていないということが大きい。いつのまにか苦手意識が強くなってしまったのか…しかも展開的に、いったん追いついたのに最後のアディショナルタイムで失点という最悪の流れ。

ではあったのだが、やはりここはカップ戦ではなくリーグ戦。シーズントータルで考えるべきと切り替える。

その他たくさん書いたら、書いた内容が消えちまった…シーズン総括についてはまたのちほど。

若おかみは小学生!

この映画は私の嗜好からすると、スルーされるはずの映画だった。上映終了が近いということと、周囲のおすすめプレッシャーで鑑賞して、結果よかったという流れは「カメラを止めるな」と一緒。今回勧めたのは水樹奈々推しと、最近ウォッチしているニコ生主のDr.マクガイヤー。結果的には後者の一押しで鑑賞することになったのは感謝したいところだが、実はネタバレでひどいことになった。詳細については後述(あ、この記事も後半はネタバレします)

鑑賞しての率直な感想。若干不満に思うところもあるものの、面白く観れる作品だった。良かった点を先に挙げておくと、まずアニメーションが丁寧。冒頭の神楽のおじさんの動きだけで、「これは良品」と確信させる。それが細かいところまで生き届いている。話の構成もよくまとまっている。キャラクターもみんな魅力的である。ツンデレ娘の声をあてている水樹さんの演技はちょっと新鮮でよかったし、他の人達も安心して見ていられた。ただお父さんだけ、なんかジブリの匂いがした。

評価がプラスかマイナスかで言うと、明らかにプラスではある。その点了解いただいた上で、Dr.マクガイヤーの評価のように、「今年ベスト1かも」というほどでもない。それは、ちょっと色々言いたいことがあるからで、それをこれから述べる(このあとはネタバレしていきます)

まず、話としてはまっとうに作ってある分、意外性に欠けるという点。この点については、まずDr.マクガイヤーの余計な一言について言及しなければならない。彼は「最近のマクガイヤー2018年10月号」でこう言った。「最後、おっこが絶対に笑顔で対応できないお客さんが来ます。〜俺これ続編できないと思いましたよ。これを越えるお客さんは出ないです。」。これは、映画を最初から観ていれば容易に解答に思い至ってしまうのである。消去法を使うまでもない。それは、両親を事故でなくしたおっこにとっては、その両親を死なせた張本人でしかないではないか。これで俺のびっくりが半減したかもしれないんですよ!どうしてくれるドクター!しかし、この「これを越えるお客さんは出ないです」というのも微妙で、ここからが「おっこが名実ともにこの花の湯(原文ママ)の若おかみになることでそれを乗りこえる(ドクター)」のハードルがまだ甘い。何故なら、その張本人は、悪意があって両親を死なせた訳ではないからだ。過失だったとしても、数ヶ月後に春の屋(だったと思う)を訪れていることから、過失責任はそう重大なものではなかったはずである。だから、「で、それを見てみんな泣く」ところで私は泣かなかった。

意外性のなさといえば、もう少し謎が複雑かと思ったらそうでもなかった点。プリンの謎とか、時々両親をおっこが幻視することについて、色々と深読みして、結果失望してしまったが、まあこれは子供向きということもあるから、私の見かたが悪かったということにしておく。

他にも気になる点はある。それは演出が若干しつこいという点。例えば、おっこが虫やトカゲに驚くシーン。2回ぐらいやっときゃいいって。

言いたい放題言ってしまったが、全体的にはもう一度見たいと思う映画だった。演出のことを色々言ってしまったが、好きなシーンもある。例えば、おっこの初登校で、ピンフリに対しておっこが歯に衣きせずものを言う瞬間の他の生徒の顔は最高によかった。あと、ショッピングでの着替えもいい。こういうところでファッションセンスがないと、テンションが爆下がりしてしまうのだが、ここは大成功。ちなみに私の好きなキャラはグローリーさんである。

バトル・オブ・ザ・セクシーズ

私はナブラチロワ世代なので、本作の主人公であるキング夫人のことはよく知らず、本作の「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」の実話の方も(結果も含めて)知らなかった。そのことが本作の鑑賞に、スリルという意味での好影響を与えたのは確かである。しかし、男女差別の悪い男に立ち向かう正義の女子!のような単純な話ではなかった。プロットはその通りなのだが。それよりもよりパーソナルな映画だった。ビリージーン・キングは決して勇者ではなく、敵のボビー・リッグスもただの悪者ではない。その等身大な二人が止むを得ず、茶番のような戦いに巻きこまれていく、そんな話だ。「茶番」と言ったが、「性別間」というのは建前で、実は賭けの材料だったり、視聴率だったり、そんなものが本当の目的。だけど、いろいろ背負わされてしまったキングが立ち上がるが、それは必ずしも、見えない「女性」という見方のためにはあまり見えない。だが、その空々しさがない分、ドラマがリアルに見える。

最後のバトルの部分はとてもリアルに作られており、淡々と試合経過を追っているようで、観客をその「バトル」に引き込み、観客を最後には感動に誘う。要は、その最後のバトルの意味づけを延々その前のドラマでやった訳。この構成はうまいと思う。私にとっては「アイ・トーニャ」に続く、実話ものの感動の再現となった。

by morota