スパイダーマン ファー・フロム・ホーム

エンドゲームでMCUが一段落した後のお茶漬け的作品?と言われていたが、どうしてどうして。今までのスパイダーマンシリーズの中では(スパイダーバースを除き)一番よかったと思う。

ストーリー自体は、どっかにありそうな話ではある。んだけれども、何がよかったかというと、「リアル感」かな。設定があまりにも現実から離れすぎてしまうと、観てる側は「ふーん。こんな設定かあ。」とある意味冷めた視点になってしまいがち。その点本作はニューヨークの学校の設定から、非モテの行動から、それがホームを遠く離れてヴェネチアやチェコに行ったとしても、そのリアル感が維持されている。それは物語への没入という点では非常によかった。

そろそろネタバレ…今回のヴィランであるミステリオは、事前に「原作ではヴィラン」という情報を入手していたせいかもだが、例の店のシーンでは不自然さが目立った。が、彼が駆使する技はヴァーチャルリアリティ、というので、こちらも現代的かつリアル。なまじ、スーパーパワーを持ってないだけに、一旦ネタがバレるとつらいものがあるが、まあ敵がスパイダーマン一人だから十分成立するだろう。

エンドロールの後にちょっとサプライズがあるが、それはさすがに…わからんよねえ。

ところで、さっきのグラスを渡す店のシーンだが、ミステリオは絶対にピーターがグラスを渡すか確証がないにも関わらず、周到な準備をしすぎ。可能性の低い方に賭けすぎ。と思った。が、これは彼が人の心理を操ることに絶対の自信があった…と、善意に解釈するこちにしよう。

ハウスジャックビルト

原題:House That Jack Built.「ジャックの建てた家」じゃだめ?

私のわりと好きな監督、ラース・フォン・トリアーの新作なので見に行った。ネタバレしなくても、最近は「エモバレ」しちゃいかんそうだが、これは、コメディだよね?まあこの監督は常習犯ですけども。連続殺人鬼の映画でそれやるかね。特に、第2幕の殺人の後に脅迫神経症が出て、何度も血を吹きに行くくだり。もうパトカーのサイレンがずっと鳴ってるのに。てか、パトカー来るの遅すぎだろ。これは、クライマックスのとこも同じね(そろそろネタバレありで)。で結論を言うと、面白かった。わからんとこもあるけど

最近は、「風立ちぬ」やら、ダンテの新曲の「煉獄」をモチーフにした映画が多いが、本作もこれだよね。ヴァージというのは、メフィストというか、アルターエゴなのか。冒頭に、二人が暗闇の中、というかオフで殺人をふりかえりつつ会話してるシーンがあるのだが、後でそれがもう一度繰り返される。そんなに難解ということはないが、私が疑問に思う点はいくつかある。

  • やたらDavid Bowieの「FAME」がかかるけどその意味は?
  • 第1幕の女性は、やたら「あんたがシリアルキラーだったら」とカマをかけてくる。殺されたいと思ってんの?というくらい。車に乗せてくれと言ったのも彼女だし(しかも3度も!)、凶器を二人のあいだ にこれ見よがしに置いたのも彼女。誘ってるとしか思えないんだが。最初、ジャックは殺す気どころか、車に乗せるのもいさぎよしとしてない。なんでだ?ここからジャックの運命が変わったというのか。それも彼の妄想なのか。しかし、元々ジャックは用事があるからと断わろうとしてたんだが、用事は本当にあったのか?
  • これに限らず、みんな殺されたがってるように見えるよね。警察はみんな二人組じゃなく一人で来るし。あまりにもバカということを後で映画の中でつっこませているけど。
  • ジャックの容貌は、メガネをかけてきちんとしてる時と、無精髭でラフな格好の時とある。使い分け?

こんなところかな。それにしても、この映画で一番ショックだったのは、ユマ=サーマンが出てたことにまったく気付かなかったこと。エンドロール見て「あれ、出てた?」となった。最初に殺される女性らしい。でも、全然面影なかったぞ?と思い、検索してみると、「整形?」とか言われているらしい。マジか。加齢のせいだけとは思えないが…キルビルとか、タラちゃんのミューズだった頃わりと好きだったんだがなあ。

RBG 最強の85才

RBG=ルース・ベイダー・ギンズバーグ。アメリカ最高裁判所判事にまつわるドキュメンタリー。確かにこの人のしてきたことはすごいし、尊敬も惜しまない。が、この人一人に女性やリベラルの命運がかかってるって状況、なんなんだろうね。民主化とか、LGBTや男女同権やら、達成できてるように見えて実はまだ全然、どころかたった一人の人間で左右されるようなあやうい状況にあるとは。そうはいっても、日本よりはアメリカの方がだいぶマシな訳ですが。まあ、色々な権利はたたかって勝ちとることが必要ですよ、ということを胸に刻んでおけと。

ゴジラ キング・オブ・ モンスターズ

一言で言うと、予告編の期待を裏切らない映画であった。そこをはるかに超えてきたかという微妙だが、怪獣映画としては大満足。ドラマがとかこれ以上何を求めるのという感じ。そりゃあ細かいとこで色々ありますがね。まずは怪獣の迫力、美しさを堪能してください。私なんか怪獣の登場のたびにうるうるしてしまった。(逆に、○○のシーンでは別に…な感じ)

それとうれしいのは、怪獣世代へのオマージュというか気遣い満点なところ。伊福部昭の音楽もそうだし、これでもかという小ネタの数々。渡辺謙さんに「ゴッズィーラ」ではなく「ゴジラ」と発音させてるとことか。なので、私のような世代の人にとっては間違いない映画。

では、ここからネタバレありで。特によかったのは、「オキシジェンデストロイヤー」の登場。しかし、それは使われるのだが、キングギドラは外宇宙出自だから効かず、ゴジラだかがやられる。そこで、我等が芹沢博士の登場。自らの命をなげうって、ゴジラ復活に力を貸す。これが、1954年のゴジラとはひねってあって、感心した。上でも言ったように怪獣についてはほぼ文句ない。それは、ゴジラの中でどれが一番いいかと聞かれれば54年の初代と答える。こりゃ仕方ない。ギャレゴジもシンゴジラもそうだが、最近のは目付きが悪くて。キングギドラについては、もう少し宇宙っぽさがあってもよかったと思うが、3つの首が動いてくれるだけでもう…ラドンの低空飛行もよかった。最後はなんかプテラノドンではなくコウモリっぷりを発揮していたが(Dr.マクガイヤーのニコ生での解説は、怪獣の役割について整理してくれたり必聴の内容だが、中でも秀逸はこのラドンのふるまいに対して、「ごますりクソバード」と名付けたこと)。

あとは気になる点など。怪獣を「タイタン」と名付け神格化し、渡辺謙に「我々こそが彼らのペット」とまで言わせた設定と、タイタンが「ORCA」であっさり操れるというのが、なんかずれている。まあこの辺は、東宝の1965年「怪獣大戦争」から引っ張ってきたからもあるのだろうが。

これ、結末でゴジラは完全いい奴なんだが、これで次作でゴジラとキングコング戦うの?なんか、「マジンガーZ対デビルマン」みたいになるんじゃないの、という気も若干するが、期待しておこう。

アベンジャーズ/エンドゲーム

エイジオブウルトロンあたりからアメコミ映画どっぷり化した私にとって、間違いなく区切りとなるはずの1作。10年続いたMCUのアベンジャーズの掉尾となる作品。予告編から期待値があがりっぱなしだった訳だが、その期待を裏切らない、見事な幕引きだった。前作「インフィニティウォー」では、新旧メンバーそれぞれに見せ場を作っておおいそがしだったが、今回はなぜか偶然、消されずに残った旧メンバーそれぞれに十分に見せ場を作ることができた。それだけでなく、すごいのはギャグのオンパレード。ここまで遊んでいいの?と心配になるほどだが、これこそがMCUの真骨頂なんだぜ!見たかDC/ワーナー!という製作者の声が聞こえてきそうだ。

ここからはネタバレ満載。展開では、冒頭でいきなりサノスを殺してしまうというのが凄かった。「え?終わり?」みたいな。実はただサノスを殺すというのが目的ではないんだよというのを、実際に見せてしまうという。

町山さんのデッドプール2評で、エンドロール後のおまけで、デップーがケーブルの時計を使って時間を戻すというのが、インフィニティウォーでおこなわれること、と予想していたが、その予想は半分は当たっていた。が、ただ時間を戻せばいいという単純なものではなかった。それは並行世界というのと関連しているのだが、単なる過去改変ではできないらしいので、過去に戻ってストーンを集めて指バッチンで願い(消えた人々を元に戻す)という展開。ここからが、いきなりコメディになってしまうのだが(特にソーがビール腹になって出てきて、その後終始そのまま(ラストのバトルでも!)という笑撃の展開もあったり)。でも破綻はしてなかった。

もう一つの予想で、チートのキャプテンマーベルがサノスを倒す上で大きな鍵になるというのがあったが、前述のように今回の主役はアベンジャーズのオリメンなので、キャプテンマーベルがサノス倒して終わりという風にはならなかった。まあ、見せ場としてはあれが限界でしょう。もう少しやってくれてもよかったが。

この感想は町山智浩さんのムダ話を聞いた上で書いているが、自分も細かいところはいろ気になったが、まあ細かいことはいいんじゃない?と赦す気分である。一番気になったのは、ネビュラが過去ネビュラを殺す場面で、並行世界とはいえ、過去の自分自身を殺すというのは、映画では始めてじゃないか?度肝を抜かれた。町山さんが気にしていた、「ソウルストーンでの愛する者ゆずりあい問題」は、確かにナターシャがホークアイを迎えに行ってる時に手つなぎしたりして伏線を張ってるものの、唐突感は否めず。ただその譲りあいバトルがよかった(最後の逆転でだまされた)ので、これもOK。

町山さんが全部言っちゃってるのの後追い(Drマクガイヤーみたい)であれだが、私もロキがスペースストーンを横取りして消えてしまったのが気になっている。単に並行世界でそこから分岐したということで、スペースストーンは更に過去に遡ってゲットしてるから問題ないっちゃないんだけど、ロキは半分消すというのの前に殺されてるので、ガモーラ同様指バッチンでは生き返らない存在なので、余計気になる。(ガモーラの方は、2014年版がいるので問題ないが)。

シャザム

これは、「アベンジャーズ /エンドゲーム」の直前に観た。この感想は、エンドゲーム鑑賞後に書いているので、正直記憶が薄れがち。だが、あまり期待していなかった分、意外に楽しめた。今までのDC(ザックシュナイダーのジャスティスリーグ系の)神話的どシリアス世界ではない、肩の力を抜いて楽しめる1作ではあった。もっとも、終盤になるにつれ、どんどんシリアスになってしまうのはやむなしか。主人公はあっけらかんとしていて、こういうテイストのスーパーマンなら柳下先生は大満足なのでは、と思う。ただちょっと気になったのは、シャザムは主人公の少年が魔法で、大人に変身するというのだが、少年の方がすごく陰キャなのに対し、大人の方がえらく明るいしおしゃべりなので、あまり連続性が感じられない。むしろ、冒頭の、ヴィランであるシヴァナの子供時代の方が、シャザムの少年時代に自然につながってるように見える。これは意図的に作ってあるんだろうが。

以降はネタバレ。この物語は、主人公にとって、子供の時に生き別れた母親というのが、宝物とみせかけマクガフィンになっていて、現実を見せられた主人公がマクガフィンを捨て、真の成長を見せるところはなんか王道のビルドゥングスロマンっぽくてよかった。この時点での感想ならこんなものだったのだが、エンドゲームのギャグのふりきれっぷりを観てしまうとなあ。

空まで踊る/ブレイン・サラッダ・インヴェスティゲーション(景山q一郎)

この2冊は、共通する登場人物によるシリーズ物のミステリとなっている。これまでのシリーズ物ミステリと異なるのは、この2作は人物だけでなく、共通の事件を扱っている点である。しかも、例えば「空まで踊る」だけを読んでも、それはそれで1編のミステリ作品として成立している。しかし、その後で、「ブレイン・サラッダ・インヴェスティゲーション」を読むと、前作では気付かなかった点にスポットが当てられた結果、同じ事件がまったく異なる様相を帯びることになる(ネタバレに気をつけたいので、この段落では書けるのはここまでか)。事実、私はこの2作を読む間に1ヶ月ほどのブランクがあったため、結局、 「ブレイン・サラッダ・インヴェスティゲーション」 の読後に、確認のため 「ブレイン・サラッダ 」 で言及されている箇所をもう一度「空まで踊る」で読み返す、という、都合1冊につき2回ずつ読むはめになった。こんなしかけのミステリー作品は見たことがない。その経験も結末も含め、大満足させてくれる2作品であった。ちなみに、「ブレイン・サラッダ 」→ 「空まで踊る」 の順で読むことはおすすめできない。

さて、以下はネタバレになるので、未読の方はご遠慮いただきたく。別に犯人を明かす訳ではないが、物語の構造や仕掛けに言及するからである。

まず、 「空まで踊る」 はあえて、一般的な本格っぽい皮をかぶっているのに対し、 「ブレイン・サラッダ 」 はのっけから叙述っぽい仕掛けをぷんぷんさせている。まず、章題。これは叙述で有名な(映画化もされた)某作品を読んだことある人ならピンとくる仕掛けになっている。だからこれは作者の「やるよ?やるよ?」というサインにしか見えない。意図的なんだと思う。それから、人称。これは、最初気付かずに読みとばしてしまい、かなり進んでから「あれ?」となって戻って読み返すはめになった。しかし、これも直木賞作家の有名な叙述トリック作品に比べれば、まだ親切な方と言える。

それ以外にも、2作を通してもちゃんと説明していないで、ほのめかししかしていない点がある。あれの犯人と動機のことである。これも1回目ではスルーしてしまったが、2回目で回収。しかも、動機の方は1作目をよく読まないと出てこない。まあ書いてあるからフェアなんだけどね。

この作品は、いろんな作品へのリファレンスというかオマージュがあるということをマクガイヤーゼミで言っていたが(ジョジョの東方とか、埋め立て地=パトレイバーとか)、 他にも「四方田<四方田犬彦」や、「首都警察<ケルベロスサーガ」から?

VICE

ブッシュ政権の影のボスであることが公になっているという、それで影の意味あるのかという、漫画の悪役(VICE)を地でいくディック・チェイニーの伝記的映画。こういう映画にありがちな、悪く見えるけれども実は案外いい人でした、みたいな展開は…特になかった。実は心筋梗塞持ちでした、みないなエピソードもいまいち同情に結びつかないのは…やってることがひどすきるからですかねえ。

で、これもまた、キャプテン・マーベルなどと同様、一連のアンチ・トランピズムの流れの中の一作と言える。差別しかり同性愛しかり。本作は単に、共和党政権を扱っているということだけでなく、端々にそういったメッセージを入れている。ここ数年のこいったメッセージをこめた映画の機運は、少なくとも歴史には残るだろうが、後世の人はどうふりかえるだろうか。 もちろんメッセージ性だけではなく、笑いもふんだんに盛り込まれているので、ぜひ見てみてほしい。私は完全にこれはコメディだと思うし、実際たくさん笑った。場内で外国人と思われる観客だけ笑っている個所も多くあった。(ちなみに、予想以上に観客がいた。半分くらい埋まっていたかな?)まあ、文化による笑いのツボの違いもあるんだなとは思ったが、それを除いても世界共通でオモシロポイントはある。おすすめはブッシュだ。サム・ロックウェルの完璧なブッシュぶりも見事だが、私が思うに、ブッシュ(息子)の存在そのものがもうギャグなんだと思う。町山さんも言っていたが、こういう、実在の政治家を本人が存命中に(批評的にあるいはコメディ、ギャグとして)扱う映画なんて日本ではできないだろうなあ。そこはアメリカはうらやましいと思う。

さて、ここからはネタバレ全開でいきたいと思う(本作以外のネタバレもあるのでご注意)。構成として攻めてるなと思ったのは、「シュタインズゲート」のアレをやったことだ(シュタゲもネタバレしてほしくない人はここでさよなら)

アレとはアレです、フェイクエンドロールです。シュタインズゲート(ゲーム、最初のやつ)をコンプされた方にはおなじみ、バッドエンドのエンドロールの途中で、電話が鳴りそれがトゥルーエンドへの道につながるというやつ。私はここは「キター」って感じで笑わせてもらったが、まあ、未プレイとしても、チェイニーが副大統領にならずにハリバートンのCEOで人生を終えてる訳はないんで、ここは総勢で、「おいおい、そこで終わるはずないやろ!」とツッコむところですね。

エンドロール後に、途中で70年代にやってたはずのインタビューを受けてる人が突然ヒラリーやトランプの話をしだすという仰天展開があるのだが、これはこういうツッコミを想定して作ったメタ展開ね。こういうとこのセンスがいいと思う。

バンブルビー

ここのとこ目白推しのヒーロー映画の中ではもっも期待してなかったのがこれ。なにしろ、私の中でトランスフォーマーといえば、マイケルベイ。マイケルベイといえば、途中で寝てしまう映画。というイメージなのだから無理もない。それが、今回はスピンオフで監督が違うらしいと急に言われても。予告編を観ても、なんか今回は女の子が相手なんかなんかあざといなあという印象しか抱けず。ところが、聞こえてくる評判がいいもんで、ちょっと観てみようかという気に。おまけに先日、ニコ生のマクガイヤーゼミでトランスフォーマー特集があり、その中であまりにも出演者がおもちゃについて熱く語ったせいで、その中で紹介されたジェットファイヤーグリムロックを思わずポチってしまった。そんな少し興味が湧いた私が観た今回のバンブルビーは…

結局ハードルがあまり上がらなかったのもあるが、予想よりはずっとよかった。てか、ベイのじゃないトランスフォーマーってこんなにいいんだ!ベイ単位でいうと10000ベイくらい。なんだろうね。普通に変形の楽しさがあったり。愛があるせいかな。作りも丁寧で、安心して観れる。確かにあざとい部分はある。ロック少女(結局ロック少女だった)とオタクの組み合わせとか、またしてもの80年代ミュージック押しとか。ティアーズ・フォー・フィアーズはやりすぎ。そしてララランド、デッドプールに続き、またしてもTake on me。どんだけみんな好きなんだよ。しかしそれらはみんな映画の出来がいいので許してしまう。

(この先は一応ネタバレ注意)話は、E.T.だった。こんなにE.T.らしい映画はE.T.ぶりである。異星人を孤独な主人公がかくまうところ。だから皆にばれないようにするところでちょっとしたスリルが生まれる。地球の大人たちはみんな敵。主人公は親とうまくいってない。そして異星人は故郷の仲間に通信を試みる。しかし捕まり、一度は死んでしまう。で復活。最後は仲間がお迎えに来てお別れ。どう?似てすぎでしょう。ここまでやっても面白かったのでこれも許す。

主人公の女の子は、あざといけどナチュラルな感じでよかった。これもオタク向けで、途中でパツキンボディコンの女が嫌ーな役どころで出てくるのが、「俺たち、こっち側だから!」というメッセージ。

キャプテン・マーベル

例によってネタバレ注意。とりあえずは無難な話題から。

本作はIMAX 3D字幕版で鑑賞。ライブでお世話になっている水樹奈々さんが吹替を担当しているのを知ったのは、予約した後であった。まあ結論から言うとかなり良かったので、機会があればリピートしたいとは思う。

本作で一番よかった点は、主人公であるキャプテン・マーベル=ヴァース=キャロル・ダンヴァースである。具体的には、彼女のヒーローの武器である熱を表わす「輝き」この表現が非常にいい。ちょっとスーパーマンとかぶるところがある(地球外という出自やら、スーツやら)が、ザック・スナイダーのように全体を暗くするのではなく、ちょっと暗いところにまばゆい輝きの表現がすばらしい。それと、演じるブリー・ラーソン。初めて見たのは、「キングコング・髑髏島の巨神」で、一応キングコングの相手役だったが、これまでのコング作品のようにそこまでヒロイン然と扱われている訳でもなかったせいか、印象は薄かった。ところが今作ではその魅力が爆発。予告で使われるシーンは目が白目になるとこだったりして怖いのだが、それ以外のところはシュッとしていて、非常に凛々しい。

ストーリーの方だが、ちょっとした裏切りがある。まあこれまでに登場したパターンのうちの一つではあるのだが、単純に善悪で描くよりは深みを与えていると思う。導入部は、いきなり異星での戦争の場面から始まり、ちゃんとツカめるのかと心配になったがあ、杞憂だった。深みというより、これもまたトランプ政権に対する政治的メッセージがしっかり入っている。またかと思う人もいるかもしれないが、明確な適役が社会にいるお陰で、こんなポリコレなメッセージが込められた作品が量産されるのはなんか皮肉である。デッドプール2もそうだし、スパイダーバースもそう。ということはあれか。ハリウッド映画がこれからもいい映画を作ってもらうには、トランプ政権が続いた方がいい!?

by morota