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マイティ・ソー バトルロイヤル

この邦題についていろいろ言いたくなる人もいるようだが、まあよほど深刻な映画と思って観られるとあれれとなるので、その気持ちもわからんでもない。まあ予告編でだいたいバレバレな訳だが。予告編を事前にチェック済みの私でも、予想以上にエンタメ寄りに感じた。ちなみにこれは悪口ではなく、DVDスルーしてしまったことを公開している。この軽妙さのバランスが絶妙なのだ。(以降ネタバレ)ソーは目を潰されたり、アズガルドが崩壊の危機にあったり、話としては大分重くなってもおかしくないのに、だ。しかも、悪役は悪役でしっかり存在感を出してくれるケイト姉さん=ヘラ。このキャラ、前評判も良かったがやはりかなりいい。なんといっても立ち姿がいちいち決まっている。

で、私はインフィニティ・ウォーを先に見てしまったので、オープニングで彼らがなんでこうなっているのかようやく理解。

ヴェノム

結論:思っていたのと違った。

 初期の予告編を見て私はかなり期待していた。普通のヒーロー物ではなく、ヴィラン(悪役)が主役になるということで、かなりダークなものが見れると思ったのだ。ところがふたを開けてみれば、何?「いい人しか食べちゃいけない」?何それ?寄生獣かよ!まあ寄生獣なんだろうけど、そのルールを設定したところからドラマが展開するならまだしも、最後にとってつけただけ!?まあシリーズ化も見越してなのかもしれないが、もったいない。

もう一つ、テイストがダークではなく、むしろギャグに寄せていることだ。これはこれで面白いはそうなのだが、私の期待していた方向とは違う訳で…結局、映画秘宝で柳下氏が言ってたのとほぼ同じになってしまった。惜しい。

ボヘミアン・ラプソディー

予告を見て「すごく見たい!」と思った映画。

今年は実話をもとにした映画の公開が多いね。「アイ、トーニャ」「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」もそう。そんな中、一オシの映画が来た!私の中では今年観たベストに推したい。

この映画、まず題材選びで成功している。伝説のバンドクイーンと、エイズで夭折したフレディ・マーキュリー。彼の出自とセクシャリティー。バンドとしての成功と確執、ソロ活動…もうドラマてんこ盛りではないか。よく今まで映画化されなかったもんである。ずるい。しかし、素材がよくても無駄にするシェフもいる中、この映画のシェフはうまくやった。まず、クライマックスに「ライブ・エイド」ももってくるうまさ。あとキャスティング。フレディーは本当にこれしかない!という役者を見つけてきたし、他のメンバーも(特にブライアンがぴったり!)。あと細かい演技や演出もいい。婚約で絶頂のはずのメアリーの漠然とした不安や、フレディの視線の演技。フレディがエイズを告白するシーンでは、ショックを受けるロジャーの演技で思わず涙ぐんでしまった。

後は、適切な曲の使い方。使われる曲の歌詞が随所随所にマッチしていて驚く。ライブ・エイドの際に使われた曲は、フレディの意思が強く出たものだろうが、自分の運命を意識したものとなっている。

映画でライブのシーンは実際の音源を使い、口パクで演技しているのだろうが、自然に再現されていて、本当にそうだったのか?と疑うレベル。ちなみに、映画にはまったのですぐにサウンドトラックをダウンロードしたところ、映画で使われたと思われるライブ音源が入っていた。これを聞いて、フレディの声に驚いたのだが、それは余談。実際の演技やゲームをそっくり再現という意味では、先ほどの「アイ、トーニャ」や「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」もやっているが、その中では一番成功していると思う。

若おかみは小学生!

この映画は私の嗜好からすると、スルーされるはずの映画だった。上映終了が近いということと、周囲のおすすめプレッシャーで鑑賞して、結果よかったという流れは「カメラを止めるな」と一緒。今回勧めたのは水樹奈々推しと、最近ウォッチしているニコ生主のDr.マクガイヤー。結果的には後者の一押しで鑑賞することになったのは感謝したいところだが、実はネタバレでひどいことになった。詳細については後述(あ、この記事も後半はネタバレします)

鑑賞しての率直な感想。若干不満に思うところもあるものの、面白く観れる作品だった。良かった点を先に挙げておくと、まずアニメーションが丁寧。冒頭の神楽のおじさんの動きだけで、「これは良品」と確信させる。それが細かいところまで生き届いている。話の構成もよくまとまっている。キャラクターもみんな魅力的である。ツンデレ娘の声をあてている水樹さんの演技はちょっと新鮮でよかったし、他の人達も安心して見ていられた。ただお父さんだけ、なんかジブリの匂いがした。

評価がプラスかマイナスかで言うと、明らかにプラスではある。その点了解いただいた上で、Dr.マクガイヤーの評価のように、「今年ベスト1かも」というほどでもない。それは、ちょっと色々言いたいことがあるからで、それをこれから述べる(このあとはネタバレしていきます)

まず、話としてはまっとうに作ってある分、意外性に欠けるという点。この点については、まずDr.マクガイヤーの余計な一言について言及しなければならない。彼は「最近のマクガイヤー2018年10月号」でこう言った。「最後、おっこが絶対に笑顔で対応できないお客さんが来ます。〜俺これ続編できないと思いましたよ。これを越えるお客さんは出ないです。」。これは、映画を最初から観ていれば容易に解答に思い至ってしまうのである。消去法を使うまでもない。それは、両親を事故でなくしたおっこにとっては、その両親を死なせた張本人でしかないではないか。これで俺のびっくりが半減したかもしれないんですよ!どうしてくれるドクター!しかし、この「これを越えるお客さんは出ないです」というのも微妙で、ここからが「おっこが名実ともにこの花の湯(原文ママ)の若おかみになることでそれを乗りこえる(ドクター)」のハードルがまだ甘い。何故なら、その張本人は、悪意があって両親を死なせた訳ではないからだ。過失だったとしても、数ヶ月後に春の屋(だったと思う)を訪れていることから、過失責任はそう重大なものではなかったはずである。だから、「で、それを見てみんな泣く」ところで私は泣かなかった。

意外性のなさといえば、もう少し謎が複雑かと思ったらそうでもなかった点。プリンの謎とか、時々両親をおっこが幻視することについて、色々と深読みして、結果失望してしまったが、まあこれは子供向きということもあるから、私の見かたが悪かったということにしておく。

他にも気になる点はある。それは演出が若干しつこいという点。例えば、おっこが虫やトカゲに驚くシーン。2回ぐらいやっときゃいいって。

言いたい放題言ってしまったが、全体的にはもう一度見たいと思う映画だった。演出のことを色々言ってしまったが、好きなシーンもある。例えば、おっこの初登校で、ピンフリに対しておっこが歯に衣きせずものを言う瞬間の他の生徒の顔は最高によかった。あと、ショッピングでの着替えもいい。こういうところでファッションセンスがないと、テンションが爆下がりしてしまうのだが、ここは大成功。ちなみに私の好きなキャラはグローリーさんである。

バトル・オブ・ザ・セクシーズ

私はナブラチロワ世代なので、本作の主人公であるキング夫人のことはよく知らず、本作の「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」の実話の方も(結果も含めて)知らなかった。そのことが本作の鑑賞に、スリルという意味での好影響を与えたのは確かである。しかし、男女差別の悪い男に立ち向かう正義の女子!のような単純な話ではなかった。プロットはその通りなのだが。それよりもよりパーソナルな映画だった。ビリージーン・キングは決して勇者ではなく、敵のボビー・リッグスもただの悪者ではない。その等身大な二人が止むを得ず、茶番のような戦いに巻きこまれていく、そんな話だ。「茶番」と言ったが、「性別間」というのは建前で、実は賭けの材料だったり、視聴率だったり、そんなものが本当の目的。だけど、いろいろ背負わされてしまったキングが立ち上がるが、それは必ずしも、見えない「女性」という見方のためにはあまり見えない。だが、その空々しさがない分、ドラマがリアルに見える。

最後のバトルの部分はとてもリアルに作られており、淡々と試合経過を追っているようで、観客をその「バトル」に引き込み、観客を最後には感動に誘う。要は、その最後のバトルの意味づけを延々その前のドラマでやった訳。この構成はうまいと思う。私にとっては「アイ・トーニャ」に続く、実話ものの感動の再現となった。

カメラを止めるな

世間の評判が大変によいので、それに押されて「とりあえず見てみるか」という、消極的な動機で鑑賞。
都内2館しか上映していないのに、連日、どの時間も満席らしい。たまたま、夕方少し早めに新宿K’s cinemaに行けたので、チケット購入。上映1時間ほど前だが、そんなに大きくないのに既に整理番号70番台。本当に人気。
しかし結論としては、見てよかった!し、他の方にも自信を持っておすすめしたい。これは誰かの受け売りだが、「伏線満載の三谷幸喜コメディ好きに特におすすめ、そして三谷作品よりできがいい」。
ここからはネタバレごめん。
この映画、予備知識なしで見ることができたがそれも大きい。もちろん、複数回見ることが前提の作品ではあるのだが、皆が「ネタバレしないように」気を使っているように、やはり初回はなしで見た方がいい。私の予備知識といえば、「30分以上ワンカット撮影の『ゾンビ映画?』」。だから最初はそのワンカットに注目して観る。「ふんふん、ほんとにワンカットなんだ。うまく撮ってるな」なんて感心したり。ただ、そのうちにちょっとずつ違和感を感じるように。それはちょっとした不自然な間だったりするのだが、役者がアマチュアなのか演出がまずいのか、笑いをとりにいってるのかいないのか、微妙な感じなのだ。後になってみると、すべて狙いだったことが分かる。前半部分で、一部の観客に「え、ここでそんなに笑う?」というリアクションがあったのだが、再見の客だったんだな。ようはこれらは全部伏線だった訳である。つまり、ワンカット・ゾンビという作品が終わったあとに、その種明かしが始まるという訳だ。しかも確実に笑える。なんかすべてが奇跡的ともいえる演出。
後半は、前半のワンカットを別の観点(カメラ)から見直している、ように見える。見えるだけで、実際には取り直してるんだろうが、結構再現度が高いので、そうは思わせない。
唯一、不満があるとすれば、ここに親子の相克と和解みないな、若干見飽きたテーマをからませてるとこ。最後はここがメインでちょっと感動したりするのだが、瑕疵といえる瑕疵はそんなとこか。

デッドプール2

デッドプール2、IMAX2Dで鑑賞。今回もネタバレ満載です。
前作は、メタなセリフとアクションで楽しめたが、今回はメタ台詞もあるにはある。がそっちはむしろ、「アイ、トーニャ」にまかせてもよくて、山盛りに盛り込まれたパロディ、風刺ネタがよかった。今回はタイムマシンがガジェットとして出てくるのだが、最初は制約を設けてあえてやりすぎないようにしている。ヒロインは序盤でいきなり殺されてしまうが、失った家族をとりもどすという敵(ケーブル)のかかえる問題は、そのままデップーの抱える問題にもなる。が、それはタイムマシンで安易な解決にすることなく、あるべき形に落ちついている。(タイムマシンは行きと帰りで1回しか使えないし、クライマックスで使いきってしまいケーブルは家族のもとに戻れなくなる)

と、こんな形で終わったら普通の映画になってしまうので、エンドロールでは、タイムマシンが修理されてしまい、デップーはさっそく恋人を救いに時間をさかのぼってしまう。それだけではなく、過去の「ウルヴァリン」でのしょうもない登場をしたデップー(自分自身)を殺してないことにしたり、「グリーンランタン」の主演をひきうけようとしたライアン・レイノルズ(自分自身!)を殺したりと、1回完結のギャグマンガのような、次でリセットされそうな暴走。これが楽しかった。次作ではどこまでがリセットされるのやら。結局この流れで恋人は生き返りそう?

それにしても、初日に行ったのだが、ウルヴァリンやグリーンランタンのくだりで爆笑が起きていた。なかなか濃い観客揃いなので感心した。

アベンジャーズ インフィニティウォー

もういきなりネタバレしていいですか?
「ガチ全滅」って、全滅じゃないじゃん!
アベンジャーズの最新作、宣伝で「ガチ全滅」言ってたので。まあその気持もわからなくはないが。
アベンジャーズ、更にメンバー増えてる。しかも、シリーズの各作品をおさえてないとなかなか厳しいところもあって。
私で言うと、「ブラックパンサー」は見たものの、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」や「マイティソー・バトルロイヤル」は見逃してるので、なんか知らないキャラがいるとか、ソーがなんで片目なんだとか、微妙に疑問な点はある。
とはいえ、アベンジャーズの基本線をおさえていれば、気にせずについていけるレベルではある。

それより、これだけキャラが増えたにも関わらず、しかも多すぎるので、メンバーをチームに分割して分割したチームごとにプロットが平行して進むという、一歩間違えばカオスになりそうな展開であるにも関わらず、意外にもとっちらかっていないで、集中して見れる。しかも各キャラに見せ場をちゃんと用意してるのが凄いよね。

更に凄いのが、今回悪役のサノスというキャラ。最初はただの悪役かと思いきや、彼なりに筋の通った正義感をしょわせ、しかも非情のキャラとみてておいて、いきなりのどんでんがえし(やや唐突な感は否めないが)。なかなかハリウッドでは珍しい。

しかし、今回最高のビックリは、そのラストだ。絶対秘密にされてきたそのラストとは、「全滅」ならぬ「半滅」。しかも宇宙の人類がランダムに。アベンジャーズもそのあおりをくらい半滅、したところでいきなり物語が終わる!そうきたか〜

この先の展開はしかし、ある程度読めなくもない。続編は決まってるし、だってアレをアレするアレがあるでしょ、だから…なのだが、おどろいたはおどろいた。

レディ・プレイヤー1

スピルバーグがオタクオヤジを接待!(以下既にネタバレ有)
メカゴジラやらガンダムやらが出るということで、オヤジの期待は盛り上ったが、結果、期待以上でも以下でもなかった。ストーリーも意外性はそんなになく、おさまるところにおさまった印象。先週からパシフィックリムでこの手の接待されてるのもあり、やや食傷気味?スピルバーグなだけにウェルメイドなのだがねえ。

パシフィック・リム アップライジング

見た!
かつて前作に対してライムスター宇多丸師匠が、「怪獣と巨大戦闘ロボアクションを見せてくれるだけで200億点出てるんです。そこからいくら細かいアラでさし引こうが200億点には変わりない」とのたまったが、まさに本作にもこれがあてはまる。最初にマイナス面を述べる。実はこれ、自分にとってはそれほど瑣末ではない。それは菊池凛子さんのことだ。(以下、ネタバレするので注意)
前作マコ役から出ている凛子さんが、前作よりオトナの女性になっていて、かなりよかった。よかっだだけに、途中退場してしまった時は本当に悲しかった。後で、わけのわからないシャオ社の女性で出てくるやつが、後の方でかなり重要な役回りを演じていたが、「映画秘宝」の対談でDJオショウが言っていたように、あれ別に凛子さんでよかったんじゃね?と思う。
あとは、ハリウッド映画の定番、終盤の舞台である日本の表現がなんかおかしいというのもある。しかし!そんなことはやはり、ロボ戦闘アクションに比べれば大したことではない。今回、IMAX 3Dで見たが、まさに「これこれ!」という感じ。しかも今回はロボ同士の対戦もあり、前作よりも更に興奮度がパワーアップ。
その他では、主役のジョン・ボイエガ君。あのスターウォーズのフィン君である。今回はフィン君とはだいぶ違う、しっかりした大人の役だったが、見事にこなしていて関心した。「デトロイト」にも出ていたが、彼はどんどんよくなる。楽しみな役者だ。
本心は、あと1回は見たいのだが、「レディ・プレイヤー1」「アベンジャーズ」も続々控えており、実現するか…