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アナザーラウンド

「もう一杯」って意味らしいですよ。原題だと「DRUK」となっていて、たぶんだけど、酔ってるみたいな意味。ようはこれ、酔っ払いの映画。メインキャストはとにかく、ずっと酒飲んでる。最初は、実験だとかいって血中アルコール濃度は0.05%になるようにおあさえてるけど、途中からその制限もとっぱらってしまって、暴走した挙句…というストーリーなんだけど、あることがあって、もうじゃ酒やめにするのかと思いきや、ラストでまたしこたま飲んでるし。民族性なんですかな。ちなみに、(たぶん )舞台はデンマークの映画です。

シャン・チー テン・リングスの伝説

マーヴェル映画です。が、食指が動かなかったのは、巷間で言われているところのルッキズム。すなわち主人公に華がない。という理由だったことは認めざるを得ない。そして鑑賞後は、はげしく後悔している。全面的にわしが悪かった。そして期待度ゼロの分、普通に面白くてもその落差のおかげで大いに楽しめた。そこは感謝する?するのか?よく分からないが。

食指が動かなかったのは、マーヴェル側の、ブラックパンサーでアフリカ系を主人公にした次はアジア系だ!ついでに中国市場もこれでバッチリ!という意図が透けて見えちゃうというか、そういう狙い先行で来ちゃうとやっぱ引くじゃん?てか、中国では上映禁止になったらしいんで後者は外れたようだけど。でも結局、そんなこととは関係なく面白いのです。残念ながら。

まずは、華がないと言われた登場人物たち、実際に動いてみたらすごくキャラが活きてましたごめんなさい。今は無職で駐車場係やってるボンボンならあの俳優さんではまりだし、妹もいい。なんといっても友人のケイティ役のオークワフィナさん、この方の出演作ははじめてですが、いいですね!

また、キャラクターだけでなく、しっかりカンフーしているのもいい。私はそこまでカンフ映画好きではないけど、足場ファイトを観るとジャッキーを思い出し、足の回転は太極拳。ぐらいでも十分楽しめる。

あと、字幕版で観てたけど、ドラゴンのところで「あ、シェンロン言ってる」ってのが何箇所かあって、特に笑いどこではないのにうけてしまった。シェンロンといえば我々の世代では勿論、ドラゴンボールとなる訳で、と思っていたら最後にかめはめ波までとびだした。

プロミシング・ヤング・ウーマン

ハスラーズとか、ブラックウィドウとか、MeTooの流れの一つとみなしていい映画。レイプされ自殺した?友人の仇をとる女性の物語。もういきなりネタバレ全開ですけど、こういう場合、観客が期待するのって、復讐によるカタルシス、だよねえ。だからどんな主人公がピンチになっても、、最後には逆転あるもんね、と思ってしまうのだ。本作に関しては途中であれ?主人公あyっぱ殺されてね?となってちょい捻りが入ってたが、とはいえ、それでも復讐が達成されるとしたらやっぱ手段は存在する訳で。そういう意味ではレールを外れてはいない。それと、途中から登場する、主人公といい仲になる大学時代の同級生の男。こいつ、どう考えてもイノセントな訳ない、と思っちゃうよね。だから幸せそうにいちゃいちゃしてるのがつかの間のはかない感じを醸してる(この辺ハスラーズにも共通)、そこはまあいい点でもあるのですが。

この映画は周囲がやたら絶賛していて、私もいい映画とは思ったが、上記の読めちゃう展開により、正直今年ベストというには少々二の足を踏む。

フリー・ガイ

デッドプールのライアン・レイノルズが出るというのと、ゲームのNPC(ノンプレイヤーキャラクター。「モブキャラ」というのはうまい訳)が主人公と聞いて。これは、最後まで観て思ったのは、完全に俺たち向けの作品だということ。だからあのエンドは、キモいと思う人もいるだろうけど、まあ俺だちの願望を具現化したんだからしょうがないじゃない!

ということで、あとはネタバレしないとどうにもこうにも。ライアン演じる「ガイ」はゲーム「フリーシティ」のNPC。毎回同じセリフしかしゃべらないし、同じことをして暮らす毎日。ところがガイ君、どうやら「ちょっと違うことをしてみたい」意識に目覚める。そして出会った女性を追いかけだすことでゲームの枠からはみだしていく。

実はその女性はあるゲームの共同製作者(ミリー)がプレイしているキャラで、「フリーシティ」がそのゲームの盗作ではないかと疑っている。で実際そうだということになっていくんだが、その一方、自意識が目覚めたガイ君の人のよさに、ミリーは惹かれていくんですな。ガイ君はAIですから、これは「her」的な展開なのか?人間とAIがくっつくハッピーエンドか?と思わせておいて、実はそのガイ君はもう一人の共同製作者(キーズ)がキャラ付けしてましたということになり、ミリーが最後の最後にそれに気付いて大逆転、人と人がくっつきましたみたいな。でそのキモいってのは、結局キーズはキャラに自分の思いを具現化させてる訳で、その辺がふつーめの人にはキツいんじゃないかと。ガイ君は思えばそもそもミリーが好きになるように作ってるんだからってのもちょっとあざとくもなくもないよね。でもまあ、いいじゃないですか。

あとは細かいとこでオタク的サプライズがあったり。キャプテンアメリカはおどろいた。ライトセイバーは「あーはいはい」てな感じだったけど。後でWikipediaチェックしたら、クリスエヴァンス以外にもロック様とかカメオで(声で)出てんのね。どこだ?

イン・ザ・ハイツ

各所絶賛なので。109の箱は小さいものの、マイレージデイ1300円鑑賞日とあってか、そこそこ入っていた。

さて、私はラ・ラ・ランドで若干見直したとはいえ、まだまだミュージカル映画の楽しみ方が分かってないと思う。そんな私でも、この「イン・ザ・ハイツ」は大丈夫!なぜ大丈夫かは、鑑賞して分かったことだが、なぜに私がミュージカル苦手かというと、いい感じで話が進んでいる時に歌が入ってくると、せっかくの流れが停滞してしまうのが気に入らなかったらしい。ところが本作では、冒頭から歌いながらどんどん主人公が状況説明してくれる。どんどん他の人が芝居のように会話に参加してくる、結果話がどんどん進むという、私にとっての障害が全部排除されている!それでいて歌詞もいい(さすが、「ハミルトンで大ヒットしたリン=マニュエル・ミランダの手によるもの)!歌い手(特に主人公のウスナビ)もいい!絵もいい!それでいて、彼らカリブラテン系住民の置かれた状況をテーマにしっかり語る。言うことなしです。まあ最後結末はちょっと見えちゃいましたが、それはそれでよし。

それにしても、こんなにラテンを扱っておいて、監督がアジア系ってすごくないですか?まったく違和感がなかったんだけど。

ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結

前回のスーサイドスクワッドはそれなりに気に入ってた。が、今作を観て、あれはなんだったんだという思いが強く…非常に強く。最初からジェームズ・ガンにやらせとけばどんなによかったか。もったいない。あえて、前作のいいところを無理矢理拾う。そうあれがなければマーゴットロビーのハーレイクインは生まれなかった。だからよかったんだ。そう無理矢理自分に言いきかせていくしかない。そう思わせるほど、今作は最高。

今作のいいとこ。まず笑える。しかも血ドバドバのブラックなギャグ。に近い。ガンにデッドプールやらせても面白いかも。まあ第4の壁は越えないけどね。あとは場面ごとにアイテムでテロップを入れる執拗な遊びとか。で、さんざん笑わせて、最後感動させるからすごい。笑わせてるけど、実はテーマ自体は重いの扱ってんだよね。それに、キャラが全員立ってる。しっかりそれぞれに見せ場を作っている。この辺ではガーディアンズ・オブ・ギャラクシーでも見せてくれたガンの真骨頂か。

あとはネタバレつきで細かいとこ。デッドプールとの共通点。最初敵の島にチームアップで上陸したら、あっさり数分でやられちゃうとこ。「Xフォース」と同じ流れね。それに、クライマックスが怪獣映画なんだが(本編でも「カイジュー」って言ってる)これが意外にしっかり怪獣映画になってて感心した。

ロキ

せっかくディズニー+に入ったのでこっちも。

「ロキ」は、「ソー」シリーズに出てくるソーの弟で、オーディンの息子だが実は養子の、いたずらの神である。この設定は北欧神話そのまんまであり、ロキは神話においても、そしてMCUにおいても「トリックスター」な存在である。そして私はこの手の役の人に目がない。それだけでなく、MCUでロキを演じたトム・ヒドルストンが当たり役で、ロキ人気はこの人あってのものだろう。そんなロキだが所詮は脇役、であるはずが今回はドラマシリーズの主役。まあこれもディズニー+という場あってのものと言えるが。

このシリーズにおけるロキは、「エンドゲーム」で、四次元キューブを盗んで消えたバージョンということになっている。エンドゲームの物語上は、別の時間軸で、サノスと戦い死んだロキというのもいるのだが、そっちではない。そっちのロキはだいぶいい奴になってしまっていたが、そうじゃない方というわけだ。が、ドラマの主人公を演じる都合なのか、ロキ様は回を追うごとにどんどんいい奴になっていってしまう。それじゃ普通でいまいち面白くない。救いは、この世界に登場する人物の8割はロキの「変異体」ということになっている。やがて愛しあう女性版のロキもいたりするのだが、それってよく考えてみると自分自身を愛しているだけである。それを考えるとちょっとロキらしくてよい。対話もみんな自分の中での内省と考えれば、なんて自省的な話をやってるんだと、おかしくなってくる。ワニ版のロキなんてのもいたりして…

物語だが、時間軸を分岐させる「変異体」を取締るTVAという組織と戦う話になっている。そんな組織があるなら、エンドゲームのアヴェンジャーズなんか全員が取締り対象のような気がするが、なぜかつかまり「剪定」されるのはロキばかりのようだ。その辺を含め、謎は最終回でも終わらず、実はシーズン2に続くらしい…

ワンダヴィジョン

ディズニー+で配信されているマーヴェル・シネマティック・ユニヴァース(MCU)作品。噂を聞いて見たい見たいと思っていたのだが、何せ有料なもので…数ヶ月我慢して、ようやく時間がとれそうだったので、鑑賞。

このドラマの本質的な部分については、Youtubeのシネマ野郎チャンネル「てらさわホーク×御代しおり ぼんやりワンダヴィジョン」でほとんど語られていて、私が付け加えることはほとんどない。曰く、

  • このドラマはMCU映画見てる人前提
  • こえーよ。不気味
  • 時間が30分というのが丁度いい
  • MCUの今後にとって超重要な作品

ということだ。付け加えるなら、このドラマシリーズの前半は、アメリカのシットコム構成になっていて、客の笑いなどを入れつつ、とことどころに違和感を生じさせるものになっていて、(以下ネタバレ)これはワンダの妄想なのでは…?と気付く人は気付く展開になっている。特に、映画で既にヴィジョンが亡き者になっていることを知っている観客なら。それが早々に4話で明かされると。あとは、いかにワンダの妄想、というか現実改変能力を止めるかということになっていく。ワンダが何をしているかというと、町一つを住民ごと改変してしまって、自分の世界に住まわせている。住民にしてみれば否応なしにつきあわされている訳である。

ここまでのところからして、ワンダ、全然善人ではない。クライマックスでは、アガサ・ハークネスという適役が正体をあらわし、対決になるのだが、はたしてそれを通過しても正義のヒーローではないし、最後いいなりにさせてた住民にも直接謝ったりはせず、最後には逃げだしている。でワンダは先のアガサとの戦闘中に「スカーレット・ウィッチ」として覚醒しているのだが、最後の最後のシーンではその2つが分裂した状態で描かれる。先の御代しおり先生曰く、ワンダはMCU随一のメンヘラとして有名なんだそうで、これまでの映画シリーズでは描かれていなかった彼女の本質が、今回初めて描かれたということなんだろう。もっとも、これについては私は否定的ではない。そんな正義のヒーローばっかでもね。特に前半の現実だか夢だかが曖昧なところは私は大好物なので、それだけでもこの作品は推したい。

キャプテン・マーベルに登場したモニカ・ランボーが登場し、今後もシリーズに絡みそうなのもなんか楽しみである。

あ、この作品、謎はだいたい解決しているのだが、ただ一つ、ヴィジョンの遺骸をもとに再構成された白ヴィジョンは記憶を取り戻して出ていったが、その後どうなった?放置されていたけど、これも次のシリーズへの布石か。

ブラック・ウィドウ

待ちこがれたタイトルだが、公開すぐに時間がとれず、土曜の最終回に109シネマズ川崎で、IMAX2Dで鑑賞。109の日だからか土曜の最終回だからか、入場もフードの列も大混雑で、席もほぼ満席。ちょっと本来なら避けたいシチュエーションだが、緊急事態宣言が発令ということもあり、この機会を逃がすと次いつ見られるか分からんということでしぶしぶ。がやっぱり見てよかった。結論からいうと、今年になってからはじめて2回観たいと思った作品です。久々のMCU作品ということで、期待値は元々高かったが、ストーリー、役者、演出、アクションすべてで期待を上回った。

では、ネタバレしつつ感想を。

実は、オープニングのMARVELのムービーでナターシャが映った瞬間もう泣きそうに。映画関係ないやんけ。待ってましたというのもあるが、やはりエンドゲームにおいてご本人がもうお亡くなりにというのを引きずってる。ナターシャというかスカジョ様好きなんす。そんな死んだキャラの映画をどう作るのかというのが注目だったが、舞台はいきなり1995年のオハイオから始まる。ヘ?オハイオ?ロシアじゃなくて?このナターシャ・ロマノフというキャラはソ連生まれで、冷戦で活躍したんじゃなかったか?オハイオにいた理由はすぐに分かることになる。なんとスパイとして潜入していたんだと。え、もう冷戦集結してるよね?しかも逃げこむ先がキューバってなんで?と、やや苦しい面もあるが、そこはキャラクターの年齢がおかしなことになるので目をつぶろう。そのオハイオでスパイが仮面家族を演じていた訳である。姉のナターシャはそれを認識しているので、それが明かされた後で、ああ、それでナターシャは妹と対照的にあんな冷めた態度なのかと、この辺は演出としてうまい。

時は経ち、21年後。舞台としては、シビルウォーの後くらいということらしい。つまりナターシャはスティーブ側に立ったため、追われる身になっていると。こいつら、追跡能力が半端ない。なんでここまで?ってとこまで追ってくる。この辺あまり説明ないんだけど。でブダペストで妹と再会。でいきなり格闘。この辺はネタバレしてたけど。ただこの格闘が結構キツいやつ。WWEのキャットファイトみたいんじゃなく、ゴジラvsコングレベルの本気度。いいね。でこの妹エレーナちゃん、を、あの演技派で売り出し中のフローレンス・ピューが演じている。私がたまたま観たのは、「マイストーリーわたしの若草物語」「ミッドサマー」だが、そのどちらともまったく違う演技。今回は特にロシア訛りがきつい。いやーフローレンス半端ないって。

この辺でちょっとギャグがとびだす。エレーナが、「スーパーヒーローってかっこつけてこんなポーズするのがキモい」とやってみせるのが、デッドプールでもネタにしていた「スーパーヒーロー着地(Superhero Langing)」。このオリジンは、(確かマクガイヤーゼミで言ってたんだと記憶)「攻殻機動隊 Ghost In The Shell」の草薙素子らしい。押井監督半端ないって。それはともかくこのネタは結構な笑いをとっていた。しかもこの後もこのネタはひっぱられ、そのたびに笑いをとっていた。すげえ。

更にこの後、収監されている「父」のアレクセイを救出。こいつ実はスーパーヒーローだったんだな。しかし今はめっきり太ってしまい昔のコスチュームが着られない。こういうのもネタにしちゃうのがなかなか。

あとは、クライマックスに向かっちく訳だが、「疑似家族」が本当の家族になる過程をアクションに混ぜて進めるあたり、この辺もなかなか。ディズニーだから人死なないと思いきや、最低限は死んでる。まあそりゃそうか。

で、エンドロールの後、みんな席立たないねー。ほかの映画だとほいほい立っちゃうと思うんだけど。最後に何かあるMCUしぐさをわかってるね。で、エンドはもうエンドゲーム後で、エレーナがナターシャの墓を訪れるシーンになる訳だが…そういえば、ブダペストでのホークアイとの絡みって、今回もっとやるかと思いきや、ナターシャの口から語られただけだったね。まあ今回ホークアイは写真のみ出演ということでやむをえないのかな。で今後エレーナとホークアイの絡みあるんかな?と期待させる今後。

あー面白かった。もう一回は見たいな。

ゴジラvsコング

延期、延期でやっと見れた。公開初日、109シネマズ木場で、3D IMAXで鑑賞。

結論から言うと、楽しめた。が、期待を上回りも下回りもしない、まさにドンピシャ期待通りな感じ。アクションについては、満足。特に水中の怪獣同士の格闘という、あまり見たことないものが見れた。これはプラス。一方、ゴジラの造型、なんか違和感あり。これはマイナス。

もうこのくらいであとはネタバレ?一言で言うなら、鑑賞してから、スラムダンクのラスト山王戦の花道と流川が頭から離れない。観た人は分かると思いますが、いがみあってた二人が最後の最後で協力するやつです。ゴジラ=流川と考えれば、最後のほら、ラストパスあるでしょ。天上天下唯我独尊男のパス。今回あれなんですよね。古今東西、主役張ってる二人の対決の場合、ありえるパターンは、「(1)完全決着つかずドロー終了(シビルウォーキャプテンアメリカ、キングコング対ゴジラ)、(2)本当には戦わない。真の敵は他にいる(バットマンvsスーパーマン、マジンガー→vsデビルマンetc)のどっちかで、メカゴジラ登場となった瞬間、あー(2)だってなるよねそりゃ。もっとも、ギドラの脳が保存されてたこと、今まですっかり忘れてたけど。あまりストーリーのことを言ってもしょうがないのかもだけど、使われてるアイテムはちょっと古くさいのばっかだよね。地球空洞説とかイルミナティとか。出てくるキャラもオタクはいいけどその造形古くない?みたいな。

あとさあ、やっぱどうしても、主役がコングに寄りがち。アメリカ製でこっちはアウェーだからまあしょうがないけど。こっちも2作分は主役張らせてもらった訳だしさ。